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5章
鬼神
しおりを挟むシルヴィアのエスコートをジュードが引き受けた事をゴードンに伝えると、血相を変えて
使用人に屋敷の整備を指示し始めた。
何もそこまでしなくてもと伝えるが、
ゴードンはぶんぶんと首を横に大きく振り、
「これは当屋敷の存続に関わる最重要案件です。」
とだけ述べて、自らも作業に取り掛かる。
「本当に、気にしなくていいのに。」
シルヴィアは頬に手を当て、溜息を吐く。
シルヴィアにとってジュードは大好きな優しい父親だが、
周りはそうではない。
ビルフォード伯爵家は代々、王族の剣として仕えており、当主は王の護衛を任される。
本当であれば、爵位はもっと高いはずなのだが過去の当主を始め、ジュード自体も地位を煩わしく思い、
伯爵位のまま、現在に至る。
当代のジュードは歴代当主の中で、ずば抜けた戦闘能力を有し、
先の国家間の戦で、鬼神の如く敵を薙ぎ払い、1軍隊を単身で壊滅させた程だった。
その時に付けられた通り名が、畏敬の念を込めて『煉獄の鬼神』であった。
だが、そんな鬼神と恐れられているジュードは、
妻や子供達の前だと、ただの夫馬鹿、親馬鹿になる。
シルヴィアに限らず、ミシェル、イザーク、ノーランにも惜しみない愛情を注ぐ。
ノーランはその暑苦しい愛を上手くあしらう。
イザークは実直な性格故に、熱い抱擁を受ける事がしばしばある。
ミシェルは猫のように気分によって、対応が違う。
卸したドレスをソニアに着せてもらい、
薄めの化粧を施す。
深紅のストレートラインドレス。
シルヴィアの銀の髪が映える。
ウエスト部に黒のレースで後ろに大きすぎないリボン結びにして長めに垂らす。
シルヴィアは不安気にソニアに尋ねる。
「ねえ、ソニア。このドレスとても素敵なのだけれど、私には上等過ぎやしない?」
ソニアは片眉を器用に吊り上げる。
「シルヴィア様、ミシェル様と私の見立てが不服という訳ですか?
・・・とても、悲しいです。」
ソニアがわざとらしく、落ち込む素振りを見せる。
それを真に受けて、慌ててシルヴィアが弁明する。
「ち、違うの!違うの!
ドレスは凄く素敵なの!本当よ!
でも、私に似合っているか心配なのよ。
こう、胸元も今までに無い位、開いているし、
大丈夫?変じゃない?」
シルヴィアは数える程しかない社交場で、
肩を出したドレスを一度も着たことがない。
胸元の開いたドレスも同様に。
心許ない気持ちで、シルヴィアは自分の肩を擦る。
はあ、と溜め息を吐くソニアは、もじもじと身を縮こまらせているシルヴィアを諭す。
「その美しい白い肌を見せなくてどうするのですか。
折角、体型も戻って誰もが羨むほどのプロポーションになったのに、
隠してしまっては、勿体無い。」
「羨むって、そんな事ある筈ないじゃないの。」
シルヴィアは今までの事があり、自己評価が著しく低い。
透き通るような白い肌も、整った容姿も自分の中でフィルターがかかっている為、
自分が美しいなど露程にも思ったことが無い。
「・・・いいのですか?」
「何を?」
「レイフォード様に自分が変わられた姿を見せなくて。」
「・・・・・!」
黙ったままのシルヴィアを尻目に、ソニアは続ける。
「以前と同じようなドレスで、レイフォード様は果たしてシルヴィア様を見直しますかねえ・・。」
「うっ・・・・。」
「シルヴィア様自身も御変わりになると宣言した以上、
そのドレスも変革の一つだと思えば、胸が開いてる位、どうって事無いでしょう。」
「うぐっ!(でも、胸が開いているのは変革と関係あるのかしら・・・・。)」
もう一押しとソニアは畳み掛ける。
「見直す以上に、愛を囁かれるかもしれませんねえ・・・。」
「あいっ・・・!!!」
シルヴィアの顔がぼふんっと音を立てるように、真っ赤になる。
シルヴィアはうー、うー、と両手で頬に当て、葛藤する。
「せ、せめて、ショールを羽織らせて・・・。」
勝ったという風にソニアはほくそ笑む。
「そう仰ると思い、用意はしていますよ。」
シルク生地の光沢のある薄手の白いショールを渡す。
「うう、これでも恥ずかしいけれど、頑張るわ。」
シルヴィアはショールを受け取り、肩に掛ける。
身支度を整え、玄関ホールへ向かうと、緊張した面持ちのゴードンが立っていた。
ジュードを迎える為に何時からそこに居たのか、ずっと待機していたみたいだ。
シルヴィアの姿を確認すると、ピキンと固まった。
「ゴードン、お父様はまだのようね。」
「・・・・・。」
「何時から此処に居たの?足は疲れていない?」
「・・・・・・・・。」
「・・・?ゴードン?」
パチンと弾かれた様に、ゴードンが正気を取り戻す。
シルヴィアは首を傾げる。
「どうしたの?」
「は、いえ・・・。お美しい姿に見惚れておりました。・・・って、え、あっ!?」
「え!!」
自分で言っておきながら、口を押えて、顔が真っ赤に染まるゴードン。
どうやら、動揺して思った事を口に出してしまったようだ。
シルヴィアもそのような返答が返ってくるとは思わず、軽く慌てる。
「う、美しいって!!ゴ、ゴードン、もう!
お世辞でも嬉しいけれど、とても心臓に悪いわね。でも、ありがとう。ふふ。」
嬉しそうなシルヴィア。
「お世辞では無いのですが・・・」
小声でゴードンは呟くが、馬の嘶きでかき消される。
「お父様だわ!」
跳ねる様にシルヴィアが扉へ向かい、開ける。
丁度馬車から降りてきたジュードがシルヴィアの姿を見て、
シルヴィアが気が付かないほんの一瞬、顔を顰めるが、直ぐに満面の笑みを浮かべて
シルヴィアを抱きしめる。
「おお!シルヴィア!今日はいつになく美しい装いだな!」
ぎゅうぎゅうと抱き締めるジュードに、
シルヴィアが背中をぽんぽんと叩く。
「お父様ぁ!苦しいですぅ!」
ジュードはばっと即座に、抱擁を解く。
「ああ、すまない!
久しぶりに愛しい娘に会えたものだから、
抑えが利かなくなってしまった。」
シルヴィアが首を緩やかに横に振る。
「ふふふ。大丈夫です。
私もお父様に会えてとても嬉しいですから。」
「それにしても、今日の出で立ちは珍しいな。」
ジュードがシルヴィアの頭を撫でながら、優しく言う。
シルヴィアが上目遣いで、不安そうに窺う。
「変ですか?・・・やっぱり似合わないですか?」
またもやジュードはシルヴィアを抱き締める。
「似合わない訳ないだろう!
寧ろ似合いすぎて、今日は俺の仕事が増えそうだ。」
「仕事?」
「ああ、害虫駆除だ。今日は特に多いぞ。」
「室内だから、そんなに虫は居ないですよ?」
シルヴィアはきょとんとする。
ジュードの緋色の瞳が鈍く光る。
「室内に湧く害虫が沢山居るのだよ。」
何もかもを焼き尽くす焔の瞳が、ゴードンを捉える。
その視線だけで、ゴードンは自分の身が灰も残らずに燃えるかのような錯覚に陥る。
にいと瞳を細めてゴードンから視線を外し、
途端に慈しむ様な瞳でシルヴィアを見る。
「さて、行くとするか、シルヴィア。」
「はい!お父様。」
ジュードが腰に手を当てる。
その間にシルヴィアが腕を絡ませて、馬車へと歩む。
二人を見送りながら、ゴードンは思う。
(今日は駄目ですよ、レイフォード様、下手な事をなさったら本当に死んでしまいますから・・・。)
使用人に屋敷の整備を指示し始めた。
何もそこまでしなくてもと伝えるが、
ゴードンはぶんぶんと首を横に大きく振り、
「これは当屋敷の存続に関わる最重要案件です。」
とだけ述べて、自らも作業に取り掛かる。
「本当に、気にしなくていいのに。」
シルヴィアは頬に手を当て、溜息を吐く。
シルヴィアにとってジュードは大好きな優しい父親だが、
周りはそうではない。
ビルフォード伯爵家は代々、王族の剣として仕えており、当主は王の護衛を任される。
本当であれば、爵位はもっと高いはずなのだが過去の当主を始め、ジュード自体も地位を煩わしく思い、
伯爵位のまま、現在に至る。
当代のジュードは歴代当主の中で、ずば抜けた戦闘能力を有し、
先の国家間の戦で、鬼神の如く敵を薙ぎ払い、1軍隊を単身で壊滅させた程だった。
その時に付けられた通り名が、畏敬の念を込めて『煉獄の鬼神』であった。
だが、そんな鬼神と恐れられているジュードは、
妻や子供達の前だと、ただの夫馬鹿、親馬鹿になる。
シルヴィアに限らず、ミシェル、イザーク、ノーランにも惜しみない愛情を注ぐ。
ノーランはその暑苦しい愛を上手くあしらう。
イザークは実直な性格故に、熱い抱擁を受ける事がしばしばある。
ミシェルは猫のように気分によって、対応が違う。
卸したドレスをソニアに着せてもらい、
薄めの化粧を施す。
深紅のストレートラインドレス。
シルヴィアの銀の髪が映える。
ウエスト部に黒のレースで後ろに大きすぎないリボン結びにして長めに垂らす。
シルヴィアは不安気にソニアに尋ねる。
「ねえ、ソニア。このドレスとても素敵なのだけれど、私には上等過ぎやしない?」
ソニアは片眉を器用に吊り上げる。
「シルヴィア様、ミシェル様と私の見立てが不服という訳ですか?
・・・とても、悲しいです。」
ソニアがわざとらしく、落ち込む素振りを見せる。
それを真に受けて、慌ててシルヴィアが弁明する。
「ち、違うの!違うの!
ドレスは凄く素敵なの!本当よ!
でも、私に似合っているか心配なのよ。
こう、胸元も今までに無い位、開いているし、
大丈夫?変じゃない?」
シルヴィアは数える程しかない社交場で、
肩を出したドレスを一度も着たことがない。
胸元の開いたドレスも同様に。
心許ない気持ちで、シルヴィアは自分の肩を擦る。
はあ、と溜め息を吐くソニアは、もじもじと身を縮こまらせているシルヴィアを諭す。
「その美しい白い肌を見せなくてどうするのですか。
折角、体型も戻って誰もが羨むほどのプロポーションになったのに、
隠してしまっては、勿体無い。」
「羨むって、そんな事ある筈ないじゃないの。」
シルヴィアは今までの事があり、自己評価が著しく低い。
透き通るような白い肌も、整った容姿も自分の中でフィルターがかかっている為、
自分が美しいなど露程にも思ったことが無い。
「・・・いいのですか?」
「何を?」
「レイフォード様に自分が変わられた姿を見せなくて。」
「・・・・・!」
黙ったままのシルヴィアを尻目に、ソニアは続ける。
「以前と同じようなドレスで、レイフォード様は果たしてシルヴィア様を見直しますかねえ・・。」
「うっ・・・・。」
「シルヴィア様自身も御変わりになると宣言した以上、
そのドレスも変革の一つだと思えば、胸が開いてる位、どうって事無いでしょう。」
「うぐっ!(でも、胸が開いているのは変革と関係あるのかしら・・・・。)」
もう一押しとソニアは畳み掛ける。
「見直す以上に、愛を囁かれるかもしれませんねえ・・・。」
「あいっ・・・!!!」
シルヴィアの顔がぼふんっと音を立てるように、真っ赤になる。
シルヴィアはうー、うー、と両手で頬に当て、葛藤する。
「せ、せめて、ショールを羽織らせて・・・。」
勝ったという風にソニアはほくそ笑む。
「そう仰ると思い、用意はしていますよ。」
シルク生地の光沢のある薄手の白いショールを渡す。
「うう、これでも恥ずかしいけれど、頑張るわ。」
シルヴィアはショールを受け取り、肩に掛ける。
身支度を整え、玄関ホールへ向かうと、緊張した面持ちのゴードンが立っていた。
ジュードを迎える為に何時からそこに居たのか、ずっと待機していたみたいだ。
シルヴィアの姿を確認すると、ピキンと固まった。
「ゴードン、お父様はまだのようね。」
「・・・・・。」
「何時から此処に居たの?足は疲れていない?」
「・・・・・・・・。」
「・・・?ゴードン?」
パチンと弾かれた様に、ゴードンが正気を取り戻す。
シルヴィアは首を傾げる。
「どうしたの?」
「は、いえ・・・。お美しい姿に見惚れておりました。・・・って、え、あっ!?」
「え!!」
自分で言っておきながら、口を押えて、顔が真っ赤に染まるゴードン。
どうやら、動揺して思った事を口に出してしまったようだ。
シルヴィアもそのような返答が返ってくるとは思わず、軽く慌てる。
「う、美しいって!!ゴ、ゴードン、もう!
お世辞でも嬉しいけれど、とても心臓に悪いわね。でも、ありがとう。ふふ。」
嬉しそうなシルヴィア。
「お世辞では無いのですが・・・」
小声でゴードンは呟くが、馬の嘶きでかき消される。
「お父様だわ!」
跳ねる様にシルヴィアが扉へ向かい、開ける。
丁度馬車から降りてきたジュードがシルヴィアの姿を見て、
シルヴィアが気が付かないほんの一瞬、顔を顰めるが、直ぐに満面の笑みを浮かべて
シルヴィアを抱きしめる。
「おお!シルヴィア!今日はいつになく美しい装いだな!」
ぎゅうぎゅうと抱き締めるジュードに、
シルヴィアが背中をぽんぽんと叩く。
「お父様ぁ!苦しいですぅ!」
ジュードはばっと即座に、抱擁を解く。
「ああ、すまない!
久しぶりに愛しい娘に会えたものだから、
抑えが利かなくなってしまった。」
シルヴィアが首を緩やかに横に振る。
「ふふふ。大丈夫です。
私もお父様に会えてとても嬉しいですから。」
「それにしても、今日の出で立ちは珍しいな。」
ジュードがシルヴィアの頭を撫でながら、優しく言う。
シルヴィアが上目遣いで、不安そうに窺う。
「変ですか?・・・やっぱり似合わないですか?」
またもやジュードはシルヴィアを抱き締める。
「似合わない訳ないだろう!
寧ろ似合いすぎて、今日は俺の仕事が増えそうだ。」
「仕事?」
「ああ、害虫駆除だ。今日は特に多いぞ。」
「室内だから、そんなに虫は居ないですよ?」
シルヴィアはきょとんとする。
ジュードの緋色の瞳が鈍く光る。
「室内に湧く害虫が沢山居るのだよ。」
何もかもを焼き尽くす焔の瞳が、ゴードンを捉える。
その視線だけで、ゴードンは自分の身が灰も残らずに燃えるかのような錯覚に陥る。
にいと瞳を細めてゴードンから視線を外し、
途端に慈しむ様な瞳でシルヴィアを見る。
「さて、行くとするか、シルヴィア。」
「はい!お父様。」
ジュードが腰に手を当てる。
その間にシルヴィアが腕を絡ませて、馬車へと歩む。
二人を見送りながら、ゴードンは思う。
(今日は駄目ですよ、レイフォード様、下手な事をなさったら本当に死んでしまいますから・・・。)
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