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ホント、ヒロイン、マジ、ヒロイン
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「んふふふ。びっくりした?」
「はい、かなり吃驚しました。エルフってこう、体が・・・。」
つるぺたじゃないの?
「うん?」
「セラフィナさん、とてもグラマラスなお体ですので、エルフとは思わなかったです。」
前世で何処かで読んだエルフ情報。
まぁ、ロランバルトさんの事で現実はちょこっとだけ違うのは実感したのだが。
すっかり失念してた。
「エルフにどんなイメージを持っているのか、ちょっと問い詰めたくなるわね~。
それで?ミリアムちゃん、何故私が事情を知っているか分かったかしら?」
私は無言で頷く。
学園長がエルフであるならば理由は一つしかない。
「ロランバルトさんとお知り合いだったんですね。」
ニッコリと満面の笑みで肯定する。
「身内、配偶者・・・。でもこういう情報は身内に話す人でもなさそうなので、何かしらの組織の情報提供とか。
ロランバルトさんもセラフィナさんもある種集団の長であるから、長同士の横のつながりがあるのですか?」
「組織とかそんな大袈裟な感じじゃないわよ~。
普通にアイツが銀翼様がミリアムちゃんの家に住む事になったって伝えてきただけよ。
で、銀翼様って楽しい事が大好きなのよ。好奇心旺盛だし、探求心もあるから、もしかしたら此処に来たいっていうかもしれないな~と思ってたら、ミリアムちゃんが来たから、ビンゴ!って思ってね。」
アイツと呼ぶ感じで親しい間柄だと伺い知れる。
銀華さんとも面識があるのだな。
エルフとドラゴンは仲が良いのかな。
「ロランバルトさんと仲が良いのですか?恋人同士とか?」
と言った瞬間、セラフィナさんの顔が今までに見た事無い位、崩れた。
ええ!そんな顔出来るの!?
変顔出来まいって思ってたのに、その顔ズルくない?
唇を突き出して、吐きそうな顔になっているセラフィナさん。
どうやら、恋人同士では無いみたいだ。
「冗談よしてよ!!あんな堅物で神経質で融通の利かない、女心も分からない朴念仁と恋人だなんておぞましくて吐きそうだわ!!」
「あ、すみませんでした。」
気分を頗る害されたようなので謝る。
そこまで嫌悪するって、何したんだ、ロランバルトさんは。
「アイツとは同郷なだけ。」
未だ憮然とした表情のセラフィナさんは一言だけ発する。
余程、不本意だったようだ。
話題を変えようと私は切り出す。
「銀華さんともお知り合いなんですね。」
「そう。銀翼様は私が子供の頃から、私達の村の近くに住んでいたドラゴンなの。」
ロランバルトさんも坊って呼ばれてたな。
というのを言えば、またセラフィナさんの機嫌が下降しそうなのでやめておこう。
「私達エルフはエンシャントドラゴンを敬っていて、彼等と共存関係みたいな感じかしら?
私の村には銀翼様が居た。
彼女は時折私達に食料を持って来てくれた。
私達は彼女が知らない知識を語り、彼女を楽しませた。
彼女が満足したらいつの間にか居なくなった。」
「ほ~。」
そうだったのか。
「あの方はそれからぱったり姿を見せなくなったから、どうされたかと思ったけど・・・。」
そう言って、私に向けてまた色っぽく微笑んで見せる。
何だ、何だ。
やっぱり魅了か!魅了する気か!!??
女性には弱いんだぞ!!
「銀翼様が貴女を気に入るだろうとは思ったけど、まさか人に扮して一緒に住むまで気に入るとは思わなかったわね。
流石想像を超えていく子だわ。」
「いやぁ。」
照れるなぁ。
頭を掻く。
「うふふふ。」
またまた妖艶な笑みを浮かべる。
その色気、武器屋とかで売ってねえのか?
少しだけ遠い目をする。
「ミリアムちゃん?」
ハッと我に返る。
「あ、ああ。すみません。
では、銀華さんはこの学園に通うのは大丈夫という事で宜しいですね?」
「ええ。明日にでも。私も銀翼様とお会いしたいしね。」
「ありがとうございます。」
セラフィナさんも銀華さんの事が好きなんだな。
まぁ、何となく二人が気が合いそうなのは分かる。
ただ、ロランバルトさんをあそこまで毛嫌いしているのが気になるが、セラフィナさんを怒らすのはマズいと最初の段階で感じていたから、今は止そう。
私は礼を言って、学園長室を出る。
「ミリアム。」
声のする方に顔を向けると、アリスが心配そうな顔で立っていた。
「アリス、どうしたの?」
するとアリスは少し顔が赤くなって、そっぽ向く。
「べ、別に、ちょっとこっちへ来る用事があったから。」
こっちはもうトイレか屋上へ行く階段しか無いよ?
ん~。
ツンデレーゼが止まらない。
「まぁ、そういう事にしておきましょう。」
「ち、ちが!ミリアムを心配してなんて・・!」
自爆しているよ、アリス。
自分の口を押えてアリスは顔を真っ赤にする。
ああ、可愛い。
「アリスは私を殺す気なんですねぇ・・・。」
キュン死にさせる気だな。
目に涙を溜めて恥ずかしそうに俯くとか、私に見せてどうするのか。
この可愛い姿を野郎共が見たら、もうホント、色々大変な事になるな。
「アリス、私の事より、アリスもそんな無防備な顔を見せない方がいいよ。」
ぽむとアリスの方に手を置く。
「え?え?」
アリスはキョトンとして私を見る。
ふー、やれやれだ。
私は肩を竦め、首を横に振る。
流石ヒロインだぜ。
変な男に引っ掛からないように、目を光らせておかねばな。
私は改めて決意を新たにした。
夫探しは?
という野暮な質問はナンセンスだ、ぜ?
「はい、かなり吃驚しました。エルフってこう、体が・・・。」
つるぺたじゃないの?
「うん?」
「セラフィナさん、とてもグラマラスなお体ですので、エルフとは思わなかったです。」
前世で何処かで読んだエルフ情報。
まぁ、ロランバルトさんの事で現実はちょこっとだけ違うのは実感したのだが。
すっかり失念してた。
「エルフにどんなイメージを持っているのか、ちょっと問い詰めたくなるわね~。
それで?ミリアムちゃん、何故私が事情を知っているか分かったかしら?」
私は無言で頷く。
学園長がエルフであるならば理由は一つしかない。
「ロランバルトさんとお知り合いだったんですね。」
ニッコリと満面の笑みで肯定する。
「身内、配偶者・・・。でもこういう情報は身内に話す人でもなさそうなので、何かしらの組織の情報提供とか。
ロランバルトさんもセラフィナさんもある種集団の長であるから、長同士の横のつながりがあるのですか?」
「組織とかそんな大袈裟な感じじゃないわよ~。
普通にアイツが銀翼様がミリアムちゃんの家に住む事になったって伝えてきただけよ。
で、銀翼様って楽しい事が大好きなのよ。好奇心旺盛だし、探求心もあるから、もしかしたら此処に来たいっていうかもしれないな~と思ってたら、ミリアムちゃんが来たから、ビンゴ!って思ってね。」
アイツと呼ぶ感じで親しい間柄だと伺い知れる。
銀華さんとも面識があるのだな。
エルフとドラゴンは仲が良いのかな。
「ロランバルトさんと仲が良いのですか?恋人同士とか?」
と言った瞬間、セラフィナさんの顔が今までに見た事無い位、崩れた。
ええ!そんな顔出来るの!?
変顔出来まいって思ってたのに、その顔ズルくない?
唇を突き出して、吐きそうな顔になっているセラフィナさん。
どうやら、恋人同士では無いみたいだ。
「冗談よしてよ!!あんな堅物で神経質で融通の利かない、女心も分からない朴念仁と恋人だなんておぞましくて吐きそうだわ!!」
「あ、すみませんでした。」
気分を頗る害されたようなので謝る。
そこまで嫌悪するって、何したんだ、ロランバルトさんは。
「アイツとは同郷なだけ。」
未だ憮然とした表情のセラフィナさんは一言だけ発する。
余程、不本意だったようだ。
話題を変えようと私は切り出す。
「銀華さんともお知り合いなんですね。」
「そう。銀翼様は私が子供の頃から、私達の村の近くに住んでいたドラゴンなの。」
ロランバルトさんも坊って呼ばれてたな。
というのを言えば、またセラフィナさんの機嫌が下降しそうなのでやめておこう。
「私達エルフはエンシャントドラゴンを敬っていて、彼等と共存関係みたいな感じかしら?
私の村には銀翼様が居た。
彼女は時折私達に食料を持って来てくれた。
私達は彼女が知らない知識を語り、彼女を楽しませた。
彼女が満足したらいつの間にか居なくなった。」
「ほ~。」
そうだったのか。
「あの方はそれからぱったり姿を見せなくなったから、どうされたかと思ったけど・・・。」
そう言って、私に向けてまた色っぽく微笑んで見せる。
何だ、何だ。
やっぱり魅了か!魅了する気か!!??
女性には弱いんだぞ!!
「銀翼様が貴女を気に入るだろうとは思ったけど、まさか人に扮して一緒に住むまで気に入るとは思わなかったわね。
流石想像を超えていく子だわ。」
「いやぁ。」
照れるなぁ。
頭を掻く。
「うふふふ。」
またまた妖艶な笑みを浮かべる。
その色気、武器屋とかで売ってねえのか?
少しだけ遠い目をする。
「ミリアムちゃん?」
ハッと我に返る。
「あ、ああ。すみません。
では、銀華さんはこの学園に通うのは大丈夫という事で宜しいですね?」
「ええ。明日にでも。私も銀翼様とお会いしたいしね。」
「ありがとうございます。」
セラフィナさんも銀華さんの事が好きなんだな。
まぁ、何となく二人が気が合いそうなのは分かる。
ただ、ロランバルトさんをあそこまで毛嫌いしているのが気になるが、セラフィナさんを怒らすのはマズいと最初の段階で感じていたから、今は止そう。
私は礼を言って、学園長室を出る。
「ミリアム。」
声のする方に顔を向けると、アリスが心配そうな顔で立っていた。
「アリス、どうしたの?」
するとアリスは少し顔が赤くなって、そっぽ向く。
「べ、別に、ちょっとこっちへ来る用事があったから。」
こっちはもうトイレか屋上へ行く階段しか無いよ?
ん~。
ツンデレーゼが止まらない。
「まぁ、そういう事にしておきましょう。」
「ち、ちが!ミリアムを心配してなんて・・!」
自爆しているよ、アリス。
自分の口を押えてアリスは顔を真っ赤にする。
ああ、可愛い。
「アリスは私を殺す気なんですねぇ・・・。」
キュン死にさせる気だな。
目に涙を溜めて恥ずかしそうに俯くとか、私に見せてどうするのか。
この可愛い姿を野郎共が見たら、もうホント、色々大変な事になるな。
「アリス、私の事より、アリスもそんな無防備な顔を見せない方がいいよ。」
ぽむとアリスの方に手を置く。
「え?え?」
アリスはキョトンとして私を見る。
ふー、やれやれだ。
私は肩を竦め、首を横に振る。
流石ヒロインだぜ。
変な男に引っ掛からないように、目を光らせておかねばな。
私は改めて決意を新たにした。
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という野暮な質問はナンセンスだ、ぜ?
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