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貴女達は私を

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翌日。

学園に行くと。

「あ、また居る。」

例の四人がもう私の机の周りにスタンバイしていた。

あの人達、何時に此処に来てんの?
疑問しか浮かばない。

行きたくないなぁ・・・。

暫く遠目から様子見をする。

うむ。離れる気配が無い。
駄目だ、こりゃ。


諦めて席に向かおうとするが、
ある集団が目に入る。


「アリス?」


アリスを真ん中に、数人の女の子達が何処かへ歩いて行った。

何か嫌な予感がしたので、その一行を離れた距離を保ちながら、尾行する。


私とアリスが初日に密談をしていた場所で、
集団は止まる。

私は建物の陰に身を潜める。

これは、世に言う。
『呼び出し』と言うやつでは?

女の子達の顔は後ろ向きで見えないが、
アリスの顔が強張っているのを私は見逃さなかった。


「貴女、ミリアム様に気に入られているからって、いい気にならないことね!」

「平民上がりだから、物珍しがっていらっしゃるだけなんだからね。貴女みたいな人、ミリアム様に直ぐに飽きられるんだから!」

「そうよ!ミリアム様を利用して、男漁りしに来たんでしょ!」

おお、典型的な呼び出しだ!
前世でもお目にかかった事無いよ。

という事は、何かイベントが発生するのかな?
キョロキョロと辺りを見渡してみるが、攻略対象の姿は見えない。

あの四人は私の机周りで待機状態なのか。
後は、先生、だよな?
先生の気配も無い。

うーん、これは誰のイベント?

考えているとアリスの声がした。

「いい気になってないし、男漁りなんてするつもりも無いわ。」

意外と冷静だ。

「嘘つかないで!あの挨拶でよくそんな事言えるわね!!」

あー、あのぶりっ子挨拶ですね。
まぁ、確かにそう思われても仕方ない。

「最初は、まぁそういう気持ちもあったかもしれないけど、
今はもう、そんな気持ち無くなったわ。」

最初はあったのね。
でもそれを認めるアリス。
中々肝が据わっています。

「やっぱり!男漁りする気だったんじゃない!」

「いや、だから、今はそんなつもりないって言ってるじゃない。」

一部の言葉だけを掬い、非難する女の子達。

「これだから、平民は。下品だわ。」

「本当よね、ミリアム様に近づいて欲しくないわ。」

近づかないでって、近づいているの私ですからね。
ん?
というか、この状況・・・。
私がアリスにへらへら近づいて招いた事態なのでは・・・。
汗がだらだら出る。

「ミリアム様にこれ以上近づかない事ね!」

ううん、私はアリスと仲良くしたい。
でも、それでアリスが今の様に絡まれるのであれば、
私はアリスに近づかない方が良いのだろうか。



「・・・嫌よ。」

アリスが呟く。

「私とミリアムはもう友達だもの。
近づくなと言われて、はい、そうですかなんて言う訳無い。」

私は歓喜に震える。
アリスに抱き着きたい。
でも我慢。

アリスの言葉に女の子達は、声を荒げる。

「友達ですって!!ありえない!!」

「ミリアム様が貴女と友達なんて、絶対に無い!!」

「私達を差し置いてそんな事がある筈ないわ!」

口々に喚く彼女達を余所にアリスは淡々と話す。

「自分達がミリアムと話せないからって、醜い嫉妬するの止めてくれない?」

「な、何ですって!!」

「何で私達が貴女なんかに嫉妬をするのよ!」

逆上する彼女達。
アリスは更に火に油を注ぐ。

「違う?自分から話しかける勇気も無い癖に。」

「な!」

「そんな人達にとやかく言われたくないわね。」

アリス、ちょっとヤバいのでは・・・?
嫌な予感は的中。

一人の女の子がアリスをどんと突き飛ばす。

「きゃあ!!」

尻もちを付くアリス。

「さっきから好き勝手な事言って!!」

「そっちだって、言いたい放題だったじゃない!」

「うるさい!アンタなんか!アンタなんか!」



突き飛ばした女の子の後ろに、何かを持っている子が前に出て思いっ切りそれを振り上げる。
私は自分のチートをこの時ばかりは感謝した。




流石にそれはやり過ぎだ。

私は地面を思い切り蹴り、アリスの前に立ち、





振り上げた物に入っていた水を受けた。





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