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すっかり忘れていました。
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「お帰りなさいませ。愛良お嬢様。」
玲が出迎えてくれた。
「ただいま、玲。」
「蘇芳様もようこそおいで下さいました。」
「ああ。」
「愛良お嬢様、蘇芳様、どうぞおうせつ・・・・。」
玲の言葉が途切れた。
私の顔を見て固まっている。
「玲どうしたの?」
「そ、れは、こちらの台詞です!
そのお顔どうされたのですか!」
玲は私の顔をぐいと引き寄せる。
ふぐぐ。
イケメン執事の顔が近い。
「れ、玲。」
「愛良お嬢様の可愛らしいお鼻が腫れているじゃないですか!
何があったのですか!?」
「ちょ、ちょっとぶつかって・・・。」
「何にですか!?いや、何処にですか!?いや、誰にですか!?」
おおお。
玲、コワイ。
「ひ、人とぶつかってこけてしまったのよ。
ちょっと鼻血が出ただけだから・・・・ひっ!!」
しまった、余計な事を言ってしまった。
鼻血と言う言葉で玲の目が暗殺者の様な瞳に。
「・・・・愛良お嬢様、誰とぶつかったのですか?
お嬢様の大切な血液を失う事になった原因を作り出したのは何処のどなたですか?」
言わぬ、言わぬぞ!!
言ったら、確実に玲は萌香を殺す。
攻略対象がヒロインを殺すってバッドエンドにも程がある。
しかもこんな序盤から。
「お嬢様?何故黙っているのですか?
まさか、その輩を庇っているのですか?
何か弱みを握られているのですか?」
庇っているのは庇っているけど、君がその殺気を消さない限り、私が君に言うつもりは無い!!
!!
あ、そうだった。
蘇芳もその場に居たじゃないか。
あれは単なる事故で、故意では無いと蘇芳が証言してくれれば、
この場は丸く収まる。
横目で蘇芳を見ると、ニコニコ顔のままこちらを見ているだけ。
コ、コイツ!!
根に持ってやがる!!
私が萌香と仲良くしてたのを、絶対根に持ってる。
くそう。これは自分でどうにかせねば。
「お嬢様?何故黙っているのですか?」
私は目を閉じ、息を吸って、大きく吐く。
そして目を開き、玲を見据える。
「私が鼻血を出した原因は、私がボーっとしていたからよ。
その人も私がボーっとしていたから、ぶつかってしまっただけで、
私がちゃんと歩いていたら、ぶつかる事は無かった。
だから、悪いのは全部私よ!
罰するのなら、私を罰しなさい!」
「ですが・・・。」
私の剣幕に怯む玲。
「それに、少しの怪我なのに大袈裟に騒ぎ過ぎなのよ。
腫れてるって言ったって、少しだけよ。
明日には引いているわ。
もし、腫れが引かないなら明日学園を休んで病院に行くわ。
それなら問題無いでしょう?」
「問題あるね。」
何だ?さっきまで黙っていた蘇芳が口を挟んできた。
「何の問題があるのですか、蘇芳君?」
そうだ!助けてくれなかったのに、何だ!
ツンとした態度で蘇芳から顔を背ける。
グイッとこちらに顔を向けさせられる。
「ふぎゅっ!」
私の両方の頬を右手の親指と人差し指で挟むもんだから、
変な声が出てしまった。
「明日、学園で何があるか、愛良は知っているよね?
ずっと前から僕と約束もしていたし、
まさか忘れてなんていないよねぇ?」
ほ?
キョトン顔になったのが分かったのだろう。
蘇芳から黒いオーラが漏れ出した。
顔は・・・・・・・・・・・・。
私、終了のお知らせです。
今日死にます。
皆様、短い間でしたが、お付き合い頂きありがとうございました。
とは、なりませんでした。
サバイヴしました。
今は正座してお説教中です。
誰が?
蘇芳が。
誰に?
私だ。
「ホンット、信じられない!
何年も前から約束してたよね?
明日はオリエンテーションで、
正装して、簡単なダンスパーティがあるって。
その為にダンスの練習もしていたよね?」
「は、はぁ・・・。」
「エスコートは僕がするって言ったし、
正装のドレスも僕が用意するって。
前日に君の家に届ける様にする事も全部話してあったよね?
何で忘れるかなぁ?」
「申し訳ございません。」
潔く謝る。
本気で頭から抜けていた。
こればかりは蘇芳に申し訳無いことをした。
言い訳も無い。
あまりの潔さに蘇芳は諦めたのか、
深く長い溜息を吐き出した。
「愛良、記憶力良い筈なのにこういう時は、
何で忘れちゃうんだろうね。」
そうなのだ。
テストとかの暗記とか覚えたものは全て忘れない。
だから、テストの成績は良かった。
勿論応用問題もちゃんと出来る。
なのに、人と話していた会話や約束事(ほとんど蘇芳との)を忘れてしまうポンコツ脳なのだ。
「まぁ、いいよ。僕が覚えているから。
だから、明日は休んじゃ駄目だから。
腫れは保健室の時も冷やしていたし、これからも冷やしておけば大丈夫。」
「そ、そうですね。」
「分かりました。氷嚢をご用意致します。」
玲はそう言って光の速さで消えて行った。
蘇芳は私を見下ろしたまま無言だ。
怖い。
沈黙。
「あ、あの蘇芳君。」
勇気を出して声を出す。
蘇芳は私を見ているだけで、何も答えない。
「本当にごめんなさい。」
「・・・・・・。」
「今度からは忘れないようにメモを取るようにしますので、あの、どうか、」
「許して欲しい?」
許してください。
と言おうとしたが、蘇芳に先に言われた。
コクコクと頷く。
「じゃあ、許してあげる。」
おお、お慈悲を戴けた。
流石王子様。何とお優しい。
「その代わり、これから僕には敬語で話さない事。
僕の事を『蘇芳』と呼ぶ事。」
「え、それは!」
「何年も前に約束していた事をすっかり忘れ去られた僕の悲しみに比べたら、
それ位で許してあげるんだよ?寛大だと思うけどね。
草薙さんには出来て、婚約者の僕に出来ない道理は無いよね?」
「うう。」
「というか、まだ蘇芳君呼びなのかってお父様に言われる僕の身にもなってよ。
こんなに長く婚約者なのに、全く心を開かれていないじゃないかと言われたんだよ?」
「・・・。」
何とそんな事を言われていたのか。
だけど、そんなに気安くなっていいのかと私は少し壁を作っていたのだ。
もし婚約が無くなってしまって、蘇芳が違う人と結婚して、
私は耐えれるのだろうか。
傷付くのが怖い。
傷付きたくない。
いつまでも返事をしない私を不思議に思ったのか、蘇芳が私の前に座り込む。
「ねぇ、愛良。産まれる前からの婚約者だけど、僕はそんな事は関係なく、
君と一緒に居たいと思っているんだよ。
君が言っていた将来、婚約破棄をいつでもしていいって話、
僕は絶対にするつもりは無い。
だから、愛良?
もう、僕との将来を考えてくれないかな?」
私の髪を一房手に取り、自分の唇へ持って行く。
そして極上の笑顔で私に微笑む。
心臓が高鳴る。
もう私の面食い!!
「ね?」
首を傾げて、私を見つめる。
ああ・・・・。
駄目だ、イケメンのおねだりとかもうご褒美でしかない。
若干目に涙が溜まってくるのが分かる。
「わ、分かった・・・・。す、蘇芳。」
陥落した。
ちらりと蘇芳を見たら、
何故か、蘇芳の顔が赤かった。
「え?蘇芳、どうしたの?」
口元を押さえて横を向く蘇芳。
「破壊力が・・・。」
破壊力?
何の話?
私、変な顔をしてた?
あ、イケメンの顔を見て鼻の下伸びてた?
面白い顔をして、蘇芳のツボにはまったのか。
「何か、ごめん・・・。」
「え?何で謝るの?」
「何か、変な顔をしてしまったみたいで。」
「し、してない、してないよ!寧ろ可愛くてヤバかった、って・・・。
・・・・・今の、聞かなかったことにして・・・。」
可愛い?
可愛かったの?
ホントに?
蘇芳の顔真っ赤だ。
ゲームの中ではヒロインを虐めてばかりだから、酷く歪んだ顔ばかりだった。
転生して素の顔を見た気がする。
整っているには整っている愛良の顔。
でも、可愛いって言われた事が無い。
周りの人も誰も近寄ってくれない。
凄く嬉しかった。
えへへ・・・・。
無意識に笑みが零れる。
蘇芳は固まってしまった。
私の笑顔は石化の追加効果でも付いているのかな?
玲が氷嚢を持って来てくれた。
蘇芳は固まったまま。
肩を揺すってみたけど、復活しない。
「愛良お嬢様、先に応接室へ向かってください。
蘇芳様の意識が戻られたら、お連れしますので。」
氷嚢を渡され、応接室へ促された。
大丈夫かな、石化を解くにはアイテムが必要だ。
玲は知っているのかな。
まぁ、玲に任せよう。
そう考え、氷嚢を鼻に当てながら応接室に向かった。
玲が出迎えてくれた。
「ただいま、玲。」
「蘇芳様もようこそおいで下さいました。」
「ああ。」
「愛良お嬢様、蘇芳様、どうぞおうせつ・・・・。」
玲の言葉が途切れた。
私の顔を見て固まっている。
「玲どうしたの?」
「そ、れは、こちらの台詞です!
そのお顔どうされたのですか!」
玲は私の顔をぐいと引き寄せる。
ふぐぐ。
イケメン執事の顔が近い。
「れ、玲。」
「愛良お嬢様の可愛らしいお鼻が腫れているじゃないですか!
何があったのですか!?」
「ちょ、ちょっとぶつかって・・・。」
「何にですか!?いや、何処にですか!?いや、誰にですか!?」
おおお。
玲、コワイ。
「ひ、人とぶつかってこけてしまったのよ。
ちょっと鼻血が出ただけだから・・・・ひっ!!」
しまった、余計な事を言ってしまった。
鼻血と言う言葉で玲の目が暗殺者の様な瞳に。
「・・・・愛良お嬢様、誰とぶつかったのですか?
お嬢様の大切な血液を失う事になった原因を作り出したのは何処のどなたですか?」
言わぬ、言わぬぞ!!
言ったら、確実に玲は萌香を殺す。
攻略対象がヒロインを殺すってバッドエンドにも程がある。
しかもこんな序盤から。
「お嬢様?何故黙っているのですか?
まさか、その輩を庇っているのですか?
何か弱みを握られているのですか?」
庇っているのは庇っているけど、君がその殺気を消さない限り、私が君に言うつもりは無い!!
!!
あ、そうだった。
蘇芳もその場に居たじゃないか。
あれは単なる事故で、故意では無いと蘇芳が証言してくれれば、
この場は丸く収まる。
横目で蘇芳を見ると、ニコニコ顔のままこちらを見ているだけ。
コ、コイツ!!
根に持ってやがる!!
私が萌香と仲良くしてたのを、絶対根に持ってる。
くそう。これは自分でどうにかせねば。
「お嬢様?何故黙っているのですか?」
私は目を閉じ、息を吸って、大きく吐く。
そして目を開き、玲を見据える。
「私が鼻血を出した原因は、私がボーっとしていたからよ。
その人も私がボーっとしていたから、ぶつかってしまっただけで、
私がちゃんと歩いていたら、ぶつかる事は無かった。
だから、悪いのは全部私よ!
罰するのなら、私を罰しなさい!」
「ですが・・・。」
私の剣幕に怯む玲。
「それに、少しの怪我なのに大袈裟に騒ぎ過ぎなのよ。
腫れてるって言ったって、少しだけよ。
明日には引いているわ。
もし、腫れが引かないなら明日学園を休んで病院に行くわ。
それなら問題無いでしょう?」
「問題あるね。」
何だ?さっきまで黙っていた蘇芳が口を挟んできた。
「何の問題があるのですか、蘇芳君?」
そうだ!助けてくれなかったのに、何だ!
ツンとした態度で蘇芳から顔を背ける。
グイッとこちらに顔を向けさせられる。
「ふぎゅっ!」
私の両方の頬を右手の親指と人差し指で挟むもんだから、
変な声が出てしまった。
「明日、学園で何があるか、愛良は知っているよね?
ずっと前から僕と約束もしていたし、
まさか忘れてなんていないよねぇ?」
ほ?
キョトン顔になったのが分かったのだろう。
蘇芳から黒いオーラが漏れ出した。
顔は・・・・・・・・・・・・。
私、終了のお知らせです。
今日死にます。
皆様、短い間でしたが、お付き合い頂きありがとうございました。
とは、なりませんでした。
サバイヴしました。
今は正座してお説教中です。
誰が?
蘇芳が。
誰に?
私だ。
「ホンット、信じられない!
何年も前から約束してたよね?
明日はオリエンテーションで、
正装して、簡単なダンスパーティがあるって。
その為にダンスの練習もしていたよね?」
「は、はぁ・・・。」
「エスコートは僕がするって言ったし、
正装のドレスも僕が用意するって。
前日に君の家に届ける様にする事も全部話してあったよね?
何で忘れるかなぁ?」
「申し訳ございません。」
潔く謝る。
本気で頭から抜けていた。
こればかりは蘇芳に申し訳無いことをした。
言い訳も無い。
あまりの潔さに蘇芳は諦めたのか、
深く長い溜息を吐き出した。
「愛良、記憶力良い筈なのにこういう時は、
何で忘れちゃうんだろうね。」
そうなのだ。
テストとかの暗記とか覚えたものは全て忘れない。
だから、テストの成績は良かった。
勿論応用問題もちゃんと出来る。
なのに、人と話していた会話や約束事(ほとんど蘇芳との)を忘れてしまうポンコツ脳なのだ。
「まぁ、いいよ。僕が覚えているから。
だから、明日は休んじゃ駄目だから。
腫れは保健室の時も冷やしていたし、これからも冷やしておけば大丈夫。」
「そ、そうですね。」
「分かりました。氷嚢をご用意致します。」
玲はそう言って光の速さで消えて行った。
蘇芳は私を見下ろしたまま無言だ。
怖い。
沈黙。
「あ、あの蘇芳君。」
勇気を出して声を出す。
蘇芳は私を見ているだけで、何も答えない。
「本当にごめんなさい。」
「・・・・・・。」
「今度からは忘れないようにメモを取るようにしますので、あの、どうか、」
「許して欲しい?」
許してください。
と言おうとしたが、蘇芳に先に言われた。
コクコクと頷く。
「じゃあ、許してあげる。」
おお、お慈悲を戴けた。
流石王子様。何とお優しい。
「その代わり、これから僕には敬語で話さない事。
僕の事を『蘇芳』と呼ぶ事。」
「え、それは!」
「何年も前に約束していた事をすっかり忘れ去られた僕の悲しみに比べたら、
それ位で許してあげるんだよ?寛大だと思うけどね。
草薙さんには出来て、婚約者の僕に出来ない道理は無いよね?」
「うう。」
「というか、まだ蘇芳君呼びなのかってお父様に言われる僕の身にもなってよ。
こんなに長く婚約者なのに、全く心を開かれていないじゃないかと言われたんだよ?」
「・・・。」
何とそんな事を言われていたのか。
だけど、そんなに気安くなっていいのかと私は少し壁を作っていたのだ。
もし婚約が無くなってしまって、蘇芳が違う人と結婚して、
私は耐えれるのだろうか。
傷付くのが怖い。
傷付きたくない。
いつまでも返事をしない私を不思議に思ったのか、蘇芳が私の前に座り込む。
「ねぇ、愛良。産まれる前からの婚約者だけど、僕はそんな事は関係なく、
君と一緒に居たいと思っているんだよ。
君が言っていた将来、婚約破棄をいつでもしていいって話、
僕は絶対にするつもりは無い。
だから、愛良?
もう、僕との将来を考えてくれないかな?」
私の髪を一房手に取り、自分の唇へ持って行く。
そして極上の笑顔で私に微笑む。
心臓が高鳴る。
もう私の面食い!!
「ね?」
首を傾げて、私を見つめる。
ああ・・・・。
駄目だ、イケメンのおねだりとかもうご褒美でしかない。
若干目に涙が溜まってくるのが分かる。
「わ、分かった・・・・。す、蘇芳。」
陥落した。
ちらりと蘇芳を見たら、
何故か、蘇芳の顔が赤かった。
「え?蘇芳、どうしたの?」
口元を押さえて横を向く蘇芳。
「破壊力が・・・。」
破壊力?
何の話?
私、変な顔をしてた?
あ、イケメンの顔を見て鼻の下伸びてた?
面白い顔をして、蘇芳のツボにはまったのか。
「何か、ごめん・・・。」
「え?何で謝るの?」
「何か、変な顔をしてしまったみたいで。」
「し、してない、してないよ!寧ろ可愛くてヤバかった、って・・・。
・・・・・今の、聞かなかったことにして・・・。」
可愛い?
可愛かったの?
ホントに?
蘇芳の顔真っ赤だ。
ゲームの中ではヒロインを虐めてばかりだから、酷く歪んだ顔ばかりだった。
転生して素の顔を見た気がする。
整っているには整っている愛良の顔。
でも、可愛いって言われた事が無い。
周りの人も誰も近寄ってくれない。
凄く嬉しかった。
えへへ・・・・。
無意識に笑みが零れる。
蘇芳は固まってしまった。
私の笑顔は石化の追加効果でも付いているのかな?
玲が氷嚢を持って来てくれた。
蘇芳は固まったまま。
肩を揺すってみたけど、復活しない。
「愛良お嬢様、先に応接室へ向かってください。
蘇芳様の意識が戻られたら、お連れしますので。」
氷嚢を渡され、応接室へ促された。
大丈夫かな、石化を解くにはアイテムが必要だ。
玲は知っているのかな。
まぁ、玲に任せよう。
そう考え、氷嚢を鼻に当てながら応接室に向かった。
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