呪縛の恋

Ma

文字の大きさ
上 下
3 / 3

私の中にいるもの

しおりを挟む
私は、思わず目をつぶってしまった……だが、いくら待っても刺された感覚がないので、恐る恐る目を開けると、いつ現れたのか一人の男の人がステッキでナイフを防いでいた。

「まさか……お前が出てくるとはな!!」
「お前こそ、何故今だに、俺たちを狙う⁉️」

そう言うと、彼はナイフを持つ手に力を込め苦々しく言った。

「それを言うのか、お前が!お前のせいで俺や彼女が……!」

そう言うと、口を閉ざしてしまった。
と、次の瞬間ナイフから力が抜けて落ちてしまいマントの男は、私達から距離を置くと被っていたマントを外した。
金色の髪を肩まで伸ばし、目は金色で肌は色白で整った顔立ちをしているが血走った目が全てを台無しにしていた。
彼は、私を見て少し微笑んだように見えた。

「エリザベス……、思い出せお前は、その男に騙されてるんだ目を覚ませ……、」

優しい声で私に、話しかけてきた。
だが、その声とは裏腹に何処か冷たいようにも聞こえ、少し後ずさった。

「エリザベス……、また私から逃げるのか?」
(また……?)

その瞬間、頭の中で声が聞こえてきた。

(エリ……きっ…………えに………………だか…………ろ)

私は、その場で頭を抱えてしゃがみこんだ。

(あなたは、誰⁉️この気持ちは、何?)
「エリザベス」

マントの男が言った。

「違う!!私は、エリザベスじゃない!!私の名前は……、」

そう言った瞬間、愕然とした。
さっきまで覚えていた、自分の名前が思い出せないのだ、それだけではなく、ここにくるまでのことも、何一つ覚えていなかったのだ。
まるで、私の中にいる何に支配されるようなそんな感覚がして、自分の身体を両手で抱き締めた。

「あなたは、誰なの……、私をどうするき⁉️」

その次の瞬間、視界が暗転して目の前に、一人の女性が微笑みながら立っていた。
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

愛されない女

詩織
恋愛
私から付き合ってと言って付き合いはじめた2人。それをいいことに彼は好き放題。やっぱり愛されてないんだなと…

友人の結婚式で友人兄嫁がスピーチしてくれたのだけど修羅場だった

海林檎
恋愛
え·····こんな時代錯誤の家まだあったんだ····? 友人の家はまさに嫁は義実家の家政婦と言った風潮の生きた化石でガチで引いた上での修羅場展開になった話を書きます·····(((((´°ω°`*))))))

王女殿下の秘密の恋人である騎士と結婚することになりました

鳴哉
恋愛
王女殿下の侍女と 王女殿下の騎士  の話 短いので、サクッと読んでもらえると思います。 読みやすいように、3話に分けました。 毎日1回、予約投稿します。

軽い気持ちで超絶美少年(ヤンデレ)に告白したら

夕立悠理
恋愛
容姿平凡、頭脳平凡、なリノアにはひとつだけ、普通とちがうところがある。  それは極度の面食いということ。  そんなリノアは冷徹と名高い公爵子息(イケメン)に嫁ぐことに。 「初夜放置? ぜーんぜん、問題ないわ! だって旦那さまってば顔がいいもの!!!」  朝食をたまに一緒にとるだけで、満足だ。寝室別でも、他の女の香水の香りがしてもぜーんぜん平気。……なーんて、思っていたら、旦那さまの様子がおかしい? 「他の誰でもない君が! 僕がいいっていったんだ。……そうでしょ?」  あれ、旦那さまってば、どうして手錠をお持ちなのでしょうか?  それをわたしにつける??  じょ、冗談ですよね──!?!?

彼氏の前でどんどんスカートがめくれていく

ヘロディア
恋愛
初めて彼氏をデートに誘った主人公。衣装もバッチリ、メイクもバッチリとしたところだったが、彼女を屈辱的な出来事が襲うー

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

初めてなら、本気で喘がせてあげる

ヘロディア
恋愛
美しい彼女の初めてを奪うことになった主人公。 初めての体験に喘いでいく彼女をみて興奮が抑えられず…

夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします

希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。 国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。 隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。 「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」

処理中です...