1 / 11
魔法の世界の探偵
しおりを挟む
「古い時代、まだ龍と呼ばれる生物が空を跋扈し、天使が人の前に姿を現していた時代、魔法とは神の奇跡を解く物だとされていた。それに擬えるなら、探偵とは犯人の軌跡を解き、謎を解く生き物だ」
いつだったかはよく覚えてないが、彼女がそう言った事はよく覚えている。
そして言葉通りに彼女は、その軌跡を解いて怪物や怪獣と対峙し、謎を解いて怪談や怪盗を退治した。
そうして彼女は、いつしか名探偵と呼ばれるようになったが、今日の話の時点での彼女は迷探偵と密かに呼ばれていた。
名の知れている探偵では無く、迷惑だと知られている探偵だった。
彼女は『シャルロット・ランベル』
そして、これは彼女と俺のなんて事のない出会いの話である。
ーーー
「本当に頼んだぞ」
白髪が目立つ壮年の男性が、俺の肩を両手で掴みながら言ってくる。肩にかけられる力の加減からは事の重みが伺える。
この人は自警団に所属している俺の先輩で、今日は腰を痛めた先輩の代役としてアイリンゼ卿の別邸に行く事になっているが、それは立場としての先輩の代理ではなく、ある人物の監督役を半ば強引に押し付けられたのだ。
その目から察するに、かの迷探偵は余程の危うさなのだろう。
「そんなに心配なら自分で行ってくださいよ。鍛練で剣を振り過ぎて腰を痛めただなんて、良い歳して」
「お前はもう少し剣を振れ、新米」
俺の生意気な小言に、先輩は呆れた様に返した。
俺が自警団に入ってから3年経つが、先輩だけが未だに俺のことを新米と呼んでくる。
何度注意しても「一人前になったら」とはぐらかされるばかりなので、最近は訂正すらしていない。
「今日同行する迷惑探偵はそんなにやばいんですか?噂には聞いた事ありますけど・・・」
探偵『シャルロット・ランベル』に関する迷惑譚はいくつかある。
最も有名な話だと、迷子の猫を探した末に猫ではなくサーベルパンサーを連れて帰って来たと言う話だ。
全長は最大で大人二人分を上回る事もあり、その名前の通り子供の頚椎程はありそうな歯を生やしているサーベルパンサーを、子供でも猫とは見間違い様が無いサーベルパンサーを・・・
「全くこれだから新聞屋は好きじゃないんだ。まるで彫刻を削り取って、粘土で新しく造形した様な記事ばかりだ。その話にしても、正しくは猫を食べたサーベルパンサーを連れて来たんだ」
俺ほどでは無いにしても、脳まで筋肉で構成されていそうな先輩の口から芸術を思わせる発言があった事は置いておくとして、『サーベルパンサーを連れてきた』と『捜索中の猫を食べたサーベルパンサーを連れてきた』この二つにどんな差があるって言うんだ。
同じ事にしか思えない。
「大きな差があるだろ」
そう言って先輩は俺の答えを待っている様だった。
しかし、自警団としては恥ずかしいが俺は推理が苦手だ。
当然なんの答えも出せず、先輩の期待にも応えられない。
暫く悩んでいるふりをしていると、痺れを切らした先輩が溜息混じりに口を開いた。
「謎が解けたかどうかだ。探偵にとっては名誉みたいなもんだろ。それの上からなら羽をつけても尻尾をつけても良いだろうが、それを差し置いたんじゃ、彫刻から胸を削り落としている様な物じゃないか」
それが目当てだったか、二度と芸術を口にしないでほしい。
それはそうと、確かに探偵にとっては大切なことなのかも知れないが、話の肝はそこにない、謎を解いていようがいなかろうが、街中にあの大きな獣を誘導するのは迷惑だろ。
「まぁ、そう言うな。彼女は探偵で、そう言う生き物なんだ」
そう語る先輩の表情はどこか優しげで、親の様だった。
それから、迷探偵が街中でサーベルパンサーを自警団に討伐させ、腹を割いては臓腑の中から子猫の頭蓋を引き摺り出したと言う聞きたくも無かったエピソードを追加してきたが、聞けば聞くほど心配になる。
「心配なのは分かるが、そう言わずに会ってみろ。と言うか時間は大丈夫か?」
先輩に言われて時計を確認してみると、確かに少し怪しい時間になってきた。
バスの予定時刻まで余裕はあるが、この予定時刻があてにならない物で、早着して満員になれば定時を待たずに出発してしまう。
それを考えると、そろそろ此処を出ないと乗り過ごす可能性がある。
それに、探偵ともそのバスの待合所で合流する予定だ。俺が遅れて先に行かれたんじゃ、何をしでかすか分からない。
仕方がないと覚悟を決め、二日分の荷物を担ぎ待ち合わせ場所に指定されたバスの乗り合い所へ行くために、詰所の出口へと向かう。
先輩からは、出掛けにもう一度、宜しく頼むと念押しされた。その瞳は、先までとは打って変わって真剣そのものだった。
ーーー
乗り合い所には既に、何人もの人が待っていた。
人が待っているって事はバスはまだ来てないみたいだ。
少し急いだお陰で、予想よりも早く到着できたし、まだ探偵は付いてないと思うが・・・。
そう言えば、探偵の特徴を聞いて来るのを忘れた。
「君が、今回私に同行する新米自警団員かい?」
背後から、しかもかなり近くから、恐らく俺を指しているのであろう単語が聞こえた。しかしその声には一切の聞き覚えが無い。
声の主を特定するために振り向くと、そこには可愛くドレスを着飾った、太々しい幼女が立っていた。
「なんだ、このガキは」
幼女が立っているとは思いもしなかったので、内心に留めておけば良い感想を、思わず口から漏らしてしまう。
「ガキだと?確かに背丈だけ見ればそうかも知れないが、こう見えて私は淑女で、君よりも脳の皺も多いだろうさ」
先の失言を申し訳なく思っていた事が、馬鹿馬鹿しく思える程のムカつく態度と、態度に見合って偉そうな口調に語彙。
もしかして挑発されているのか?
もしくは自警団員としての甲斐性を試されてる?
色々考えたが、バスの待合所で幼女に馬鹿にされる理由は分からない、分からないのなら相手にするだけ無駄だ。
「確かに、見た目だけで判断してしまった。君が大人だと言うのなら、今の俺は待ち合わせをしていて君の相手をしている暇はない。どこへでも消えてくれ」
「はぁ・・・だから、君は脳の皺が少ないと言うのだ。新米自警団という単語に、前後の言葉を忘れてしまったのか?」
溜息混じりの返答に、俺の頭の中には疑問符が浮かぶ。
前後の言葉?
何を言っているのか、よく思い出してみる。
確か「君が、今回私に同行する新米自警団員かい」と言ったか?
ん?本当にそう言ったか?
とすると・・・
「お前が・・・シャルロット・ランベルなのか?」
「いかにも、私が探偵シャルロット・ランベルに違いない。此度は宜しく頼むぞ新米」
想像していたのとはかなり異なる様子だが、確かに何とも言えない探偵感が滲み出ている気がする。
それより何より、この先輩しか使っていない不服な呼び方を知っている。
やはり迷探偵に違いない。
「ん?反応が悪いな。君がアイリンゼ卿の別邸に同行する新米自警団員に違いないはずだが」
知ってしまった事実に、少し唖然としていると眉を顰めながら探偵が顔を覗き込んでくる。
「あぁ、俺が君に同行する『エルノルド・ワンズ』で間違い無い」
俺の辿々しくなってしまった自己紹介を聞いて、何故か得意げな顔をする探偵は、やはり子供みたいだった。
いつだったかはよく覚えてないが、彼女がそう言った事はよく覚えている。
そして言葉通りに彼女は、その軌跡を解いて怪物や怪獣と対峙し、謎を解いて怪談や怪盗を退治した。
そうして彼女は、いつしか名探偵と呼ばれるようになったが、今日の話の時点での彼女は迷探偵と密かに呼ばれていた。
名の知れている探偵では無く、迷惑だと知られている探偵だった。
彼女は『シャルロット・ランベル』
そして、これは彼女と俺のなんて事のない出会いの話である。
ーーー
「本当に頼んだぞ」
白髪が目立つ壮年の男性が、俺の肩を両手で掴みながら言ってくる。肩にかけられる力の加減からは事の重みが伺える。
この人は自警団に所属している俺の先輩で、今日は腰を痛めた先輩の代役としてアイリンゼ卿の別邸に行く事になっているが、それは立場としての先輩の代理ではなく、ある人物の監督役を半ば強引に押し付けられたのだ。
その目から察するに、かの迷探偵は余程の危うさなのだろう。
「そんなに心配なら自分で行ってくださいよ。鍛練で剣を振り過ぎて腰を痛めただなんて、良い歳して」
「お前はもう少し剣を振れ、新米」
俺の生意気な小言に、先輩は呆れた様に返した。
俺が自警団に入ってから3年経つが、先輩だけが未だに俺のことを新米と呼んでくる。
何度注意しても「一人前になったら」とはぐらかされるばかりなので、最近は訂正すらしていない。
「今日同行する迷惑探偵はそんなにやばいんですか?噂には聞いた事ありますけど・・・」
探偵『シャルロット・ランベル』に関する迷惑譚はいくつかある。
最も有名な話だと、迷子の猫を探した末に猫ではなくサーベルパンサーを連れて帰って来たと言う話だ。
全長は最大で大人二人分を上回る事もあり、その名前の通り子供の頚椎程はありそうな歯を生やしているサーベルパンサーを、子供でも猫とは見間違い様が無いサーベルパンサーを・・・
「全くこれだから新聞屋は好きじゃないんだ。まるで彫刻を削り取って、粘土で新しく造形した様な記事ばかりだ。その話にしても、正しくは猫を食べたサーベルパンサーを連れて来たんだ」
俺ほどでは無いにしても、脳まで筋肉で構成されていそうな先輩の口から芸術を思わせる発言があった事は置いておくとして、『サーベルパンサーを連れてきた』と『捜索中の猫を食べたサーベルパンサーを連れてきた』この二つにどんな差があるって言うんだ。
同じ事にしか思えない。
「大きな差があるだろ」
そう言って先輩は俺の答えを待っている様だった。
しかし、自警団としては恥ずかしいが俺は推理が苦手だ。
当然なんの答えも出せず、先輩の期待にも応えられない。
暫く悩んでいるふりをしていると、痺れを切らした先輩が溜息混じりに口を開いた。
「謎が解けたかどうかだ。探偵にとっては名誉みたいなもんだろ。それの上からなら羽をつけても尻尾をつけても良いだろうが、それを差し置いたんじゃ、彫刻から胸を削り落としている様な物じゃないか」
それが目当てだったか、二度と芸術を口にしないでほしい。
それはそうと、確かに探偵にとっては大切なことなのかも知れないが、話の肝はそこにない、謎を解いていようがいなかろうが、街中にあの大きな獣を誘導するのは迷惑だろ。
「まぁ、そう言うな。彼女は探偵で、そう言う生き物なんだ」
そう語る先輩の表情はどこか優しげで、親の様だった。
それから、迷探偵が街中でサーベルパンサーを自警団に討伐させ、腹を割いては臓腑の中から子猫の頭蓋を引き摺り出したと言う聞きたくも無かったエピソードを追加してきたが、聞けば聞くほど心配になる。
「心配なのは分かるが、そう言わずに会ってみろ。と言うか時間は大丈夫か?」
先輩に言われて時計を確認してみると、確かに少し怪しい時間になってきた。
バスの予定時刻まで余裕はあるが、この予定時刻があてにならない物で、早着して満員になれば定時を待たずに出発してしまう。
それを考えると、そろそろ此処を出ないと乗り過ごす可能性がある。
それに、探偵ともそのバスの待合所で合流する予定だ。俺が遅れて先に行かれたんじゃ、何をしでかすか分からない。
仕方がないと覚悟を決め、二日分の荷物を担ぎ待ち合わせ場所に指定されたバスの乗り合い所へ行くために、詰所の出口へと向かう。
先輩からは、出掛けにもう一度、宜しく頼むと念押しされた。その瞳は、先までとは打って変わって真剣そのものだった。
ーーー
乗り合い所には既に、何人もの人が待っていた。
人が待っているって事はバスはまだ来てないみたいだ。
少し急いだお陰で、予想よりも早く到着できたし、まだ探偵は付いてないと思うが・・・。
そう言えば、探偵の特徴を聞いて来るのを忘れた。
「君が、今回私に同行する新米自警団員かい?」
背後から、しかもかなり近くから、恐らく俺を指しているのであろう単語が聞こえた。しかしその声には一切の聞き覚えが無い。
声の主を特定するために振り向くと、そこには可愛くドレスを着飾った、太々しい幼女が立っていた。
「なんだ、このガキは」
幼女が立っているとは思いもしなかったので、内心に留めておけば良い感想を、思わず口から漏らしてしまう。
「ガキだと?確かに背丈だけ見ればそうかも知れないが、こう見えて私は淑女で、君よりも脳の皺も多いだろうさ」
先の失言を申し訳なく思っていた事が、馬鹿馬鹿しく思える程のムカつく態度と、態度に見合って偉そうな口調に語彙。
もしかして挑発されているのか?
もしくは自警団員としての甲斐性を試されてる?
色々考えたが、バスの待合所で幼女に馬鹿にされる理由は分からない、分からないのなら相手にするだけ無駄だ。
「確かに、見た目だけで判断してしまった。君が大人だと言うのなら、今の俺は待ち合わせをしていて君の相手をしている暇はない。どこへでも消えてくれ」
「はぁ・・・だから、君は脳の皺が少ないと言うのだ。新米自警団という単語に、前後の言葉を忘れてしまったのか?」
溜息混じりの返答に、俺の頭の中には疑問符が浮かぶ。
前後の言葉?
何を言っているのか、よく思い出してみる。
確か「君が、今回私に同行する新米自警団員かい」と言ったか?
ん?本当にそう言ったか?
とすると・・・
「お前が・・・シャルロット・ランベルなのか?」
「いかにも、私が探偵シャルロット・ランベルに違いない。此度は宜しく頼むぞ新米」
想像していたのとはかなり異なる様子だが、確かに何とも言えない探偵感が滲み出ている気がする。
それより何より、この先輩しか使っていない不服な呼び方を知っている。
やはり迷探偵に違いない。
「ん?反応が悪いな。君がアイリンゼ卿の別邸に同行する新米自警団員に違いないはずだが」
知ってしまった事実に、少し唖然としていると眉を顰めながら探偵が顔を覗き込んでくる。
「あぁ、俺が君に同行する『エルノルド・ワンズ』で間違い無い」
俺の辿々しくなってしまった自己紹介を聞いて、何故か得意げな顔をする探偵は、やはり子供みたいだった。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4500文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
星の記憶
鳳聖院 雀羅
ファンタジー
宇宙の精神とは、そして星の意思とは…
日本神話 、北欧神話、ギリシャ神話、 エジプト神話、 旧新聖書創世記 など世界中の神話や伝承等を、融合させ、独特な世界観で、謎が謎を呼ぶSFファンタジーです
人類が抱える大きな課題と試練
【神】=【『人』】=【魔】 の複雑に絡み合う壮大なるギャラクシーファンタジーです
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
【完結】「心に決めた人がいる」と旦那様は言った
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
「俺にはずっと心に決めた人がいる。俺が貴方を愛することはない。貴女はその人を迎え入れることさえ許してくれればそれで良いのです。」
そう言われて愛のない結婚をしたスーザン。
彼女にはかつて愛した人との思い出があった・・・
産業革命後のイギリスをモデルにした架空の国が舞台です。貴族制度など独自の設定があります。
----
初めて書いた小説で初めての投稿で沢山の方に読んでいただき驚いています。
終わり方が納得できない!という方が多かったのでエピローグを追加します。
お読みいただきありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる