彼女の独裁は止められない!? 〜超絶美女たちが支配する一党独裁国家に転生したら、絶対美少女の次期総書記様に気に入られた〜

歯牙内かつきち

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第二章:独裁の予兆!?中央政治局常務委員《フラワーナイン》の選抜

第34話:リーとの密約!? シーからの提案

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 落ち着きを取り戻したリーに俺は改めてコーヒーを渡した。

 それを手にとり、リーは少しコーヒーを啜った。啜るときの唇がやけに柔らかく見えた。

「ありがとう。そして、君はすごい能力を持っているね。驚いたよ」

 カップなら口を話し、その柔らかそうな唇から優しい労いの言葉が発せられた。
 
 そして、眼鏡の奥の目元も先程までと違ってとても柔らかだ。

 こんな柔らかく美しい顔を間近で見てしまい俺は目が釘付けになった。
 
 そのため、上手く言葉が出なかった。
 
「あ、あり……」
 
「おい、ルー! 私にもコーヒーだ! あと、リー! うちのワンコロに色目使うな。そいつはすぐに尻尾を振っちまうんだから!」

 俺がリーに見とれたのがばれたのであろう。
 
 俺がリーにお礼を言う前にオウキが邪魔をしてきた。

「い、いや、そんなんではないですよ!恐れ多いです。リー様、申し訳ありません」
 
 俺はリーに謝るのと同時にオウキにコーヒーを渡しに向かった。

「しかし、シー、どこで拾ったのだ?」

 すでにリーもオウキに乗じて、俺を犬扱いだ。

「……ツバキ市だ。拾ったのは偶然だがな」

 もちろん、シーも犬扱いは否定する事なく淡々と答えた。

「そうか、しかし、思力を一瞬で、思力装ドレスでさえも消してしまう……。こんな事を思闘中にされたらひとたまりもないな。おい、ルー君と言ったかな。どうやったのだ?」

「は、はい。えー、リー様の思力様式スタイルを物理現象に見立てて、私の中で思考実験……」

「リー、無駄だ。ルーの言う事は、分からなくはないが、我々では再現できない。」

 俺の説明をオウキが止めた。

 実際、テイも、アカリも、そしてオウキも試したのだが、俺のように思力が消えるというは起きなかった。

「……そうか、しかし、まさしく、ゲームチェンジャーだな」

 リーはそう言うと一瞬考え込んだ。

 そして、シーを見据えた。

「で、こんな大層な切り札カードを見せて、私に何をしてほしい?」

 そうなのだ。
 
 先程の一触即発の出来事。
 
 しかし、シーもオウキもリーがブラフであることは分かっていた風だ。
 
 そして、リーの狙いもシーの切り札カードを探る事だった。

 シーは敢えて、俺の力を見せた。

 俺の力は一度分かれば対抗はできる。

 それは簡単だ。俺を処分すればいいだけだ。

 これから敵対する可能性のある相手に俺の力を見せる意味。

 シーはともかくオウキもそうする予定だった風だ。
 
 つまり何か狙いがあるはずだ。

「……自慢だ。かわいいペットは周りに見せたくなるだろ」

 シーは真顔で冗談のような回答を返した。

「はぁ? ハア? シー、この期に及んでとぼける気か? しかも、こんなみすぼらしい男をかわいいだと? あ、ルー君、もちろんいい意味で可愛くないということだよ。男だもんな」

 途中から俺が聞いているのに気づいたリーが満面の笑みを俺に向けて、フォローをした。
 
 みすぼらしいのフォローにまったくなっていなかったが。

「い、いえ、わきまえてます……」

「ダーハッハ、まったく、エリート様は見てくれ以外の本質的な価値が分かってねーなー。ルーは、一見冴えないし、卑屈だし、油断するとマロンの胸ばっか見てるゲスだが、飯は上手いし、自分の価値をひけらかさないいいヤツだぞ」

 オウキが、まったくフォローになっていないフォローしてくれた。
 
 わかったのは、少なくとも、今度からマロンと話すときは気をつけようということだけだ。

「……そうなのか? ルーはいつも私の瞳を見てくるから、てっきり目がフェチだと思ってたぞ」

「そういえば、先程から、お前の犬は私の唇ばかり見てたな。そんなとこにも欲情するのか?」

 シーとリーがオウキの冗談に乗っかり出した。

「い、いえ、そんなつもりはまったく。誤解です」

 一般庶民から見たら雲の上の支配者層。外見も人外かと思うほど美しい。
 
 どうしても、目を奪われてしまうのだ。
 だから、あながち誤解ではないのだが、謝るしかない。

「そうだな、ルーは私の……私の……?? おい、ルー!! テメー、私だけそんな目で見たことねーじゃねーか! いつもビビってる感じで! 私は華の国の清風だぞ! シーやリー以上に見とれろ!」

「い、いや、一度思力装ドレスを着たときは見とれたじゃないですかー」

 襲いかかってきそうなオウキから逃げるようにして俺は言い訳を言った。

「一度?? 常に見とれてろ!」

 オウキの怒りは収まらない。

「ハハハハハ」
 
「……フフ」

 それを眺めて現中央政治局常務委員フラワーナインの二人が笑っている。

 考えると凄い事だ。
 
 ここには新中央政治局常務委員フラワーセブンのうち、三人がいるのだから。

「ま、まぁ冗談さておき、本題だ。リー」

 オウキに羽交い締めされてるとこで、やっとシーが、話し始めてくれた。
 
 オウキも渋々俺を離して、席に座った。

「リー、お前にルーを見せるのは、私にとってはリスクだ。それでも見せた。私がハクモクレン閥と闘えるということを」

 シーの言葉で、先程までの明るい雰囲気が、一掃された。

「……、ハクモクレン閥と対峙するということだな」
 
リーの眼光も鋭くなった。

「いや、正確には腐敗している党員全員だ。だから、リー、お前も党の理念を忘れ私利私欲に走ってるなら粛清対象だ」

「ふん、笑えない冗談だ」

「……私もそう信じたいよ……」

「腐敗を粛清するか……。当然ではあるし、フー様も対処はしてきた。しかし、シーお前はどこまでやるつもりだ」

「もちろん徹底的だ。党員が党の理念をもう一度真剣に思い出すまでだ。中央政治局常務委員フラワーナインでも例外なくだ」

 相変わらず、話す内容と口調、表情が合っていない。
 
 シーは淡々と無表情に、とんでもない事を口にしている。
 
 中央政治局常務委員フラワーナインの汚職は不問。
 
 これは党だけだなく華の国の暗黙のルールだ。
 
 正直、庶民も、上がやりたい放題することには諦めている。
 
 それだけ、党上層部は権力も思力もずば抜けている。 
 
 どちらかというと、公安や役人の末端の腐敗の方が日常的に目にすることがあり、そちらに不満が溜まったいる。

「ふん……、これまで何もしなかった者が大層な口を叩くな」

「だからこそできる。コウ様もそして、ブルーローズの連中も、私を侮ってくれてるからな。オウキとそして、ルーがいる。誰にも負けないさ」

「…………確かに、思闘ならな。だが、そこに持ち込むまでが難しいだろ」

「だから、リー、お前に協力してほしい。」

「…………………………」

「……………………………」

 シーの協力要請にリーは何も答えず、沈黙が続いた。

 リーはシーの目を見ている。
 
 炎に照らし出された、それでいて闇よりも深い覚悟が宿る瞳を。

「…………出来る事と出来ない事がある」

 沈黙を破ったのは、リーの方だった。
 
 イエスともノーとも取れる答え。

「私は、腐敗と闘う。ある意味、党全員を敵に回すだろう。その間、内政に力を裂けない。私が闘っている間、国務院総理として、リー、お前が国の舵を取ってくれ」

「……そんな事、言われなくとも、無論そのつもりだ」

「そのために、ヨンファとマーリー、この二人を新中央政治局常務委員フラワーセブンから外してくれ」

 シーが、言うなやいなやリーの瞳に電光が走った。

 敵意が込められた視線だ。

 対するシーは……、相変わらず深い闇が覗いてる。
 
  
 
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