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第二章:独裁の予兆!?中央政治局常務委員《フラワーナイン》の選抜
第5話:ルーがシーを守る!?突然のティータイムへの招待
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「大変申し訳ありませんでした。あのような事を話すつもりは全くありませんでしたが、緊張のあまり、自分でも何を話しているのか分からなくなってしまいました」
フーとオンと会談の後、俺はシーの執務室で再度、自分の発言について釈明をした。
まさか、シーが俺を操っていたのではなんて本人には言えない。
とはいえ、あんなだいそれた発言をどう釈明すればいいのか。俺は、釈明にもなっていない理由をつけてシーに謝った。
シーは澄ました顔して茶を啜っている。
「茶の淹れ方は両親に教わったのか」
シーは何の脈絡もなく聞いてきた。俺の謝罪は無視をして。
「は、はい。特に特別なことはありませんが、丁寧に淹れるようにと父に教わりました」
「それでは、父親に感謝するのだな。ルーの淹れる茶が美味しくなかったら、先ほどの件、蹴りだけでは済まなかったぞ。ルーの茶が美味しいから雇ってるのだ」
「た、大変申し訳ありませんでした!!」
シーの冗談なのか本気なのか分からない言葉を受けて俺は再度慌てた謝った。
シーの表情は、微かにいたずらっ子な笑を口元に浮かべていた。
「で、ルー。フー様とオン様の思力様式は消せそうか」
「…………!?」
(やっぱりシー様に操られていたのか、!。)
フーとオンは俺の発言をきっかけに思力様式を発現した。
フーは水、オンは岩が思力様式であった。
「シー様。まさか……。そんな」
「ルー。誤解するな。別にフー様、オン様と敵対する気はないさ。ただ、敵対したくなくても対峙する時はあるからな。で、どうなんだ?」
「……。正直申し上げますとフー様、オン様の思力様式を消すのは難しいです」
俺の思力は相手の思力を物理現象と見なして、その物理現象を相殺する現象を作ることで相手の思力を消すことができる。
その能力でオウの炎やボアの光を消した。
しかし、フーの水やオンの岩は現象というより存在そのものだ。存在を消す事は、基本的にはできない。
存在の持つエネルギー量は凄まじのだ。そんなエネルギーを消す思力を俺自身が作れるはずもない。
「ただ、フー様、オン様の思力は消せませんが、向けられた思力からシー様を守る方法はあります」
「ほう。私を守る……か」
「あ、いや、私ごときが恐れ多いのですが」
「いや、いいぞ。確かにボアの時もルーに守られたのだからな。女は一度は、思力の高い者に守られるのに憧れるのだ。私にとってはそれが弱い男のルーになるのか。なかなか面白いな」
「あ、いえ、その……」
シーは基本無表情だ。そして、あまり喋らない。にもかかわらず、話すときはこんな感じで冗談なのか本気なのか分からないことを真顔で話すのだ。
「まあ、期待してるぞ。ルー。そのために雇ってるのだからな。お茶汲みと掃除だけが仕事じゃないからな」
「は、はい。フー様、オン様の思力についてもさらに研究しておきます。ところで、フー様、オン様は大丈夫なのでしょうか。あのような失礼なことをしてしまい。シー様の評価にも影響が………」
「ああ、気にするな。あんなの中央政治局常務委員会ではしょっちゅうだ。フー様は党のトップ。オン様は国務院総理だからな。いつもハクモクレンから突き上げを受けてるよ」
「……、そ、そうなのですか」
「それが党のトップというものだ。支配する力がないなら反発を受ける。フー様は優秀で公平な方だからな。その反面、無理な手法はとらない。それで、ハクモクレンの増長を許している」
「そうですか……」
(シー様もやはり政治家なのだな。)
フーとオンの前では、政治に疎いと自分で言っていたが、シーはシーで色々と考えているのだ。
そして、虎視眈々とトップになったときの権力基盤確立を狙っている。
正直、普段は何も考えてなさそうにぼーっとしている姿が多いだけに意外である。
「私もただ、ぼーっとしているだけの女ではないぞ」
「あ、いや、そんなことは、思っても……」
俺の心を読んだかのようにシーはまた俺に微かなイタズラな表情を向けながら言った。
そして、少し考えをするような間を置いた後、またとんでもないことを言い出した。
「……。ルー。そうだ。次の中央政治局常務委員会でるか?」
フーとオンと会談の後、俺はシーの執務室で再度、自分の発言について釈明をした。
まさか、シーが俺を操っていたのではなんて本人には言えない。
とはいえ、あんなだいそれた発言をどう釈明すればいいのか。俺は、釈明にもなっていない理由をつけてシーに謝った。
シーは澄ました顔して茶を啜っている。
「茶の淹れ方は両親に教わったのか」
シーは何の脈絡もなく聞いてきた。俺の謝罪は無視をして。
「は、はい。特に特別なことはありませんが、丁寧に淹れるようにと父に教わりました」
「それでは、父親に感謝するのだな。ルーの淹れる茶が美味しくなかったら、先ほどの件、蹴りだけでは済まなかったぞ。ルーの茶が美味しいから雇ってるのだ」
「た、大変申し訳ありませんでした!!」
シーの冗談なのか本気なのか分からない言葉を受けて俺は再度慌てた謝った。
シーの表情は、微かにいたずらっ子な笑を口元に浮かべていた。
「で、ルー。フー様とオン様の思力様式は消せそうか」
「…………!?」
(やっぱりシー様に操られていたのか、!。)
フーとオンは俺の発言をきっかけに思力様式を発現した。
フーは水、オンは岩が思力様式であった。
「シー様。まさか……。そんな」
「ルー。誤解するな。別にフー様、オン様と敵対する気はないさ。ただ、敵対したくなくても対峙する時はあるからな。で、どうなんだ?」
「……。正直申し上げますとフー様、オン様の思力様式を消すのは難しいです」
俺の思力は相手の思力を物理現象と見なして、その物理現象を相殺する現象を作ることで相手の思力を消すことができる。
その能力でオウの炎やボアの光を消した。
しかし、フーの水やオンの岩は現象というより存在そのものだ。存在を消す事は、基本的にはできない。
存在の持つエネルギー量は凄まじのだ。そんなエネルギーを消す思力を俺自身が作れるはずもない。
「ただ、フー様、オン様の思力は消せませんが、向けられた思力からシー様を守る方法はあります」
「ほう。私を守る……か」
「あ、いや、私ごときが恐れ多いのですが」
「いや、いいぞ。確かにボアの時もルーに守られたのだからな。女は一度は、思力の高い者に守られるのに憧れるのだ。私にとってはそれが弱い男のルーになるのか。なかなか面白いな」
「あ、いえ、その……」
シーは基本無表情だ。そして、あまり喋らない。にもかかわらず、話すときはこんな感じで冗談なのか本気なのか分からないことを真顔で話すのだ。
「まあ、期待してるぞ。ルー。そのために雇ってるのだからな。お茶汲みと掃除だけが仕事じゃないからな」
「は、はい。フー様、オン様の思力についてもさらに研究しておきます。ところで、フー様、オン様は大丈夫なのでしょうか。あのような失礼なことをしてしまい。シー様の評価にも影響が………」
「ああ、気にするな。あんなの中央政治局常務委員会ではしょっちゅうだ。フー様は党のトップ。オン様は国務院総理だからな。いつもハクモクレンから突き上げを受けてるよ」
「……、そ、そうなのですか」
「それが党のトップというものだ。支配する力がないなら反発を受ける。フー様は優秀で公平な方だからな。その反面、無理な手法はとらない。それで、ハクモクレンの増長を許している」
「そうですか……」
(シー様もやはり政治家なのだな。)
フーとオンの前では、政治に疎いと自分で言っていたが、シーはシーで色々と考えているのだ。
そして、虎視眈々とトップになったときの権力基盤確立を狙っている。
正直、普段は何も考えてなさそうにぼーっとしている姿が多いだけに意外である。
「私もただ、ぼーっとしているだけの女ではないぞ」
「あ、いや、そんなことは、思っても……」
俺の心を読んだかのようにシーはまた俺に微かなイタズラな表情を向けながら言った。
そして、少し考えをするような間を置いた後、またとんでもないことを言い出した。
「……。ルー。そうだ。次の中央政治局常務委員会でるか?」
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