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第一章:独裁の萌芽!?華の国ツバキ市の腐敗
第16話:ハニートラップの証拠!?末端が出来る小さい抵抗
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「もうひとつ、中国が考えていることがあります。こちらは読み間違えではないのですが。日本の協力です。台湾有事にの際、アメリカが戦うなら日本は援護する。ちょっと前はそんな雰囲気でしたが今はそうでないでしょう」
「確かにここ最近の政府や、マスコミの中には中立論を唱える人たちも多いです」
「それは、私たちがせっせとハニートラップしてきた成果ですよ。中国政府の言うことを聞く要人はたくさんいます。だから、台湾有事でも日本は傍観する。そんな空気を作り上げてます」
「日本は傍観する。何も出来ない、何もしない……」
「そう。それをアメリカも見てる。なんなら、後ろから撃たれるのではと警戒もしている。日本が援護しないどころか裏切るリスクがある。それがアメリカが出てこない根拠にもなってます」
「状況は、分かりましたが、それとハニートラップのリストにどんな関係が?」
「飛田さん、私は日本が、今の状況が大好きなのですよ。こんなに簡単にスパイの仕事出来る国なんて他にないですし。たんまり日本で資産も貯めました。そして、嫁さんというもっとも尊い資産も。だから、私は現状を変えたくないのです。台湾侵攻が起こり、中国が勝つにせよ、アメリカが勝つにせよ、私は祖国に戻される可能性が高い。でもスパイの末端なんて消耗品。命すら危うい」
陣さんは自分の危機を平然と話している。
「だから、自分に出来ることは小さくてもいいからやろうと決めました。もし、鶴見先生がこのリストを上手く使って日本の親中派から発言権を大きく奪えれば、日本が台湾有事の際の介入を主張するかもしれない。そうすると、中国は、慌てます。アメリカが出てくるのかと」
「つまり、この危機を日本が止めると……」
「そうです。本当に台湾でアメリカと中国が戦ったらどうなるか分かりません。それは日本もです。戦争なんて起きない方がいいのです」
「……分かりました。陣さんの意図が」
「これは祖国にとっては裏切りになります。確実に祖国の影響がないと言い切れて、信用出来る人飛田さんしかいませんでした。そして、鶴見先生も大丈夫です」
「私は歯牙ない公務員ですから」
「はは、そういとこ本当に飛田さんいいですね。飛田さんいいスパイになれますよ」
「い、いや、ありがとうございます」
何に褒められたかわからないが俺は取り敢えずそう言った。
「鶴見先生も忙しいですが、なんとかアポをとりますよ。こんな恐ろしいリスト、いつまでも持っておきたくないですからね」
「よろしくお願いね」
そういって、陣さんはまた歩きだした。
公園を出るまではお互い無言であった。
そして、公園を出ると別れの挨拶をして、俺は自分の職場に戻った。
「確かにここ最近の政府や、マスコミの中には中立論を唱える人たちも多いです」
「それは、私たちがせっせとハニートラップしてきた成果ですよ。中国政府の言うことを聞く要人はたくさんいます。だから、台湾有事でも日本は傍観する。そんな空気を作り上げてます」
「日本は傍観する。何も出来ない、何もしない……」
「そう。それをアメリカも見てる。なんなら、後ろから撃たれるのではと警戒もしている。日本が援護しないどころか裏切るリスクがある。それがアメリカが出てこない根拠にもなってます」
「状況は、分かりましたが、それとハニートラップのリストにどんな関係が?」
「飛田さん、私は日本が、今の状況が大好きなのですよ。こんなに簡単にスパイの仕事出来る国なんて他にないですし。たんまり日本で資産も貯めました。そして、嫁さんというもっとも尊い資産も。だから、私は現状を変えたくないのです。台湾侵攻が起こり、中国が勝つにせよ、アメリカが勝つにせよ、私は祖国に戻される可能性が高い。でもスパイの末端なんて消耗品。命すら危うい」
陣さんは自分の危機を平然と話している。
「だから、自分に出来ることは小さくてもいいからやろうと決めました。もし、鶴見先生がこのリストを上手く使って日本の親中派から発言権を大きく奪えれば、日本が台湾有事の際の介入を主張するかもしれない。そうすると、中国は、慌てます。アメリカが出てくるのかと」
「つまり、この危機を日本が止めると……」
「そうです。本当に台湾でアメリカと中国が戦ったらどうなるか分かりません。それは日本もです。戦争なんて起きない方がいいのです」
「……分かりました。陣さんの意図が」
「これは祖国にとっては裏切りになります。確実に祖国の影響がないと言い切れて、信用出来る人飛田さんしかいませんでした。そして、鶴見先生も大丈夫です」
「私は歯牙ない公務員ですから」
「はは、そういとこ本当に飛田さんいいですね。飛田さんいいスパイになれますよ」
「い、いや、ありがとうございます」
何に褒められたかわからないが俺は取り敢えずそう言った。
「鶴見先生も忙しいですが、なんとかアポをとりますよ。こんな恐ろしいリスト、いつまでも持っておきたくないですからね」
「よろしくお願いね」
そういって、陣さんはまた歩きだした。
公園を出るまではお互い無言であった。
そして、公園を出ると別れの挨拶をして、俺は自分の職場に戻った。
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