彼女の独裁は止められない!? 〜超絶美女たちが支配する一党独裁国家に転生したら、絶対美少女の次期総書記様に気に入られた〜

歯牙内かつきち

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第一章:独裁の萌芽!?華の国ツバキ市の腐敗

第6話:思力闘争!?美しき女達のバトル

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 中から出てきた彼女は、昼間の地味な新人というイメージとはかけ離れた、大人の余裕もった口調でオウに話しかけた。
 
 「もしかして、これを取りに来ましたか。殺鼠剤入りのウイスキー」
 
 彼女の手には、ウイスキー瓶が握られていた。もちろん、指紋のつかないよう手袋をして。
 
 「重要ですものね。ターニャ様の殺人の証拠ですから」
 
 そう言って彼女はニコリと笑った。

 思力装纏ドレスアップしたオウを目の前にひどく余裕だ。
 
 いや、余裕のように見せているだけかもしれない。
 
 思力の戦いは精神面が大きく影響する。どんな手であれ、精神的優位性を持ちたいはずた。
 
 「そんな証拠モノなど、現場にはない 中から出てきた彼女は、昼間の地味な新人というイメージとはかけ離れた、大人の余裕もった口調でオウに話しかけた。
 
 「もしかして、これを取りに来ましたか。殺鼠剤入りのウイスキー」
 
 彼女の手には、ウイスキー瓶が握られていた。もちろん、指紋のつかないよう手袋をして。
 
 「重要ですものね。ターニャ様の殺人の証拠ですから」
 
 そう言って彼女はニコリと笑った。

 思力装纏ドレスアップしたオウを目の前にひどく余裕だ。
 
 いや、余裕のように見せているだけかもしれない。
 
 思力の戦いは精神面が大きく影響する。どんな手であれ、精神的優位性を持ちたいはずた。
 
「そんな証拠モノなど、現場にはない」
 
 オウは断言して言った。
 
「それは愛しのターニャ様のため、オウ様が隠滅したからでしょうか」
 
 オウを動揺させるように彼女は言った。しかしオウは動揺するよりも何かを察した。
 
「お前、中央のものか!」
 
 そう言ってオウは思力のギアを上げた。
 
「お忘れですか、ご自分の部下ですよ、今年配属されたばかりのテイです」
 
 言われた彼女の方はあくまで余裕をこめて答えた。
 
 そして同時に思力装纏ドレスアップした。
 
 テイと名乗った女の思力様式スタイルは金属で出来た機械仕掛けの植物であった。
 
 鋼の部品が蔓となり、黒く光った鋼鉄の薔薇の花弁が彼女に覆った。
 
 そして、それが戦闘合図であったかのように、辺りの景色が一変した。
 
 思界顕現メイク・ザ・ステージ
 
 支配者クラスの強大な思力をもつ者同士が戦う時に起こる現象だ。
 
 現実ではない別の空間が現れるのだ。
 その空間は、各々がより強大な思力を使えるよう、顕現者の個性が反映される。
 
 オウの周辺は古戦場のような荒廃した原野が、テイの周りには、金属の植物に覆われたビル群が取り囲んだ。
 
 ちょうどオウとテイの間で、景色が二分している。
 
 俺みたいな一般人にとって、思界コンセプトは、話だけは聞いたことがある都市伝説みたいなものだ。
 
 その圧倒的な非現実空間の中で、俺は逃げることも出来ず立ち竦んでいた。

□ ■ ◆ ■ □
 「縛れ、拘束の鋼鉄蔓」
 
 先に仕掛けたのは意外にもテイであった。
 
 オウの周りに無数の機械仕掛けの蔓が出現し、オウを拘束しようとする。
 
 オウの炎に対して、金属の蔓。相性としては悪くない。
 テイの余裕は、こういう理由だったのかもしれない。
 
 「紅虎の炎爪!!」
 
 そう考えた矢先、オウは、炎の獣の腕を一振した。
 
 あっさりと、それこそただの植物を振り払うように、鋼鉄の蔓は無残に引き裂かれた。
 
 「!?」
 
 テイは明らかに少し動揺した。
 まさか、こんなにもあっさりとなぎ払われるとは思ってなかったのだろう。
 
 テイは、さらに多くの蔓を出し、オウに向けた。
 
 オウは身を少し屈めると、まさに獣の体勢になりテイに向かった。
 
 迫る蔓を避け、あるいはなぎ払いながら、オウはテイとの距離を詰めていく。
 
 逆にテイは蔓と花弁を使いながらなんとか距離を取っていた。
 
 オウが獣の腕を振るとそこから炎がでて、それは虎の形となりテイに向かっていった。

 テイは、それをなんとか鋼鉄の花弁で防ぐ。
 
 気付いた時にはテイは防戦一方になっていた。
 
 当然の結果であったのだろう。
 
 極一握りの人間だけが持てる思力様式スタイル
 
 それを持っているテイもエリート中のエリートかもしれないが、まだ若い。

 一方、オウは叩き上げの歴戦の強者で、常に最前線で戦っていたのだ。これまで積み上げてきた闘いの経験がまったく違う。
 
思界コンセプトもテイの支配空間である機械仕掛けのビル群はあらかた消えて、オウの支配する荒野になっていた。
 
 致命的な一撃は避けていたのであろう。しかし、すでにテイは思力装ドレスはボロボロになっており、所々はだけていた。
 
 テイは最後の力を振り絞るように、これまでで最大数の蔓を自分の周りに出現させた。
 
 「若い割になかなかだ。流石、中央のエリート様だな」
 
 オウはサディスティックに笑いながらそう言った。
 
 「だが、まだまだだな。今後の指導のために私の最大奥義をみせてやろう」
 
 そう言って、オウは思力を溜めだした。
 
 
 
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