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ナツ・side
困惑
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先輩は続ける。
「いや…だからさ…その、女とホテルでも行ったのか、家に連れ帰ったんかなって… その、もしかしてセックスしたんかな、とか…ってか、昼間っから何言わせんだよ…雰囲気でわかれよ、おまえさ…」
先輩があからさまにため息をつく。
「あ…ないです、それは…南さんにも言いましたけど、あの後俺、すぐ帰りました。その…少し声はかけられましたが…」
「へえ…やっぱ声はかけられたんだ…
それなのに真っ直ぐ家帰るとか、勿体無いな…」
「はあ…?いや…別に…」
「おまえってなんか、不思議だよ…そんな見た目で、そんないい体してて…女、選び放題だろうよ…?なのに飲み会でのあの態度…どんだけ清純君ぶってんだよ…本当は、裏で…遊んでんじゃないのか…?」
遊んでる…? 俺が… ?
犬の時は確かに、そうだったが…人間界では… 遊んだ覚えがないが…
「あ…ごめんごめん… 言い過ぎたな…今のナシ…ってか、うまそーーその弁当…なんかすげえ手が込んでんな~…あ、もしかして可愛い彼女と同棲してんの…?あ…ごめん、また俺、ズケズケ聞いちまって…」
「… いや…あの… 彼女とかじゃ…」
俺はつい、黙り込む。
「いや、マジでごめん…答えなくていい。その…ゆっくり食え…俺、ちょっと外で休憩してくる。」
先輩がきまずくなったのか、即座に席を立って外に出て行くのを呆然と見送る。
爽は… 俺にとって… なんなんだろう…
飼い主…?
同居人… 管理人…
彼女… ?
彼氏… いやいや、そんなわけはない…
俺は自問自答をしつつ、
やっぱり自分の気持ちに困惑しながら、
爽の作った相変わらず抜群にうまい唐揚げを、口に運んだ。
「いや…だからさ…その、女とホテルでも行ったのか、家に連れ帰ったんかなって… その、もしかしてセックスしたんかな、とか…ってか、昼間っから何言わせんだよ…雰囲気でわかれよ、おまえさ…」
先輩があからさまにため息をつく。
「あ…ないです、それは…南さんにも言いましたけど、あの後俺、すぐ帰りました。その…少し声はかけられましたが…」
「へえ…やっぱ声はかけられたんだ…
それなのに真っ直ぐ家帰るとか、勿体無いな…」
「はあ…?いや…別に…」
「おまえってなんか、不思議だよ…そんな見た目で、そんないい体してて…女、選び放題だろうよ…?なのに飲み会でのあの態度…どんだけ清純君ぶってんだよ…本当は、裏で…遊んでんじゃないのか…?」
遊んでる…? 俺が… ?
犬の時は確かに、そうだったが…人間界では… 遊んだ覚えがないが…
「あ…ごめんごめん… 言い過ぎたな…今のナシ…ってか、うまそーーその弁当…なんかすげえ手が込んでんな~…あ、もしかして可愛い彼女と同棲してんの…?あ…ごめん、また俺、ズケズケ聞いちまって…」
「… いや…あの… 彼女とかじゃ…」
俺はつい、黙り込む。
「いや、マジでごめん…答えなくていい。その…ゆっくり食え…俺、ちょっと外で休憩してくる。」
先輩がきまずくなったのか、即座に席を立って外に出て行くのを呆然と見送る。
爽は… 俺にとって… なんなんだろう…
飼い主…?
同居人… 管理人…
彼女… ?
彼氏… いやいや、そんなわけはない…
俺は自問自答をしつつ、
やっぱり自分の気持ちに困惑しながら、
爽の作った相変わらず抜群にうまい唐揚げを、口に運んだ。
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