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爽・side

自覚

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さして悩まずに、あっさり、そう…とか肯定しやがって…俺はもやもやしてんのに… なんだ、コイツのこの態度…
俺の中に、少しの苛立ちが生まれる。

「へえ~~… そっか、でも残念だな…それが本心っていうか目的なら、お前はやっぱり一生、犬には戻れないよ…俺は死んでも、おまえなんかに抱かれる気はないから。俺は一生、男を抱く側、だ… 」

「… … …」ナツは黙り込む。

「それで…もう一つの質問の答えは…?おまえさ、いまだに女なんか抱きたいわけ…?だから合コンなんかに顔出して、女漁ってたのか…?」

「…違う…それはない… 女は… あんまり」

「へえ~~あんまりってことは、まだ興味はあるんだな…そっか…」

俺のこの質問は…一体、なんなんだ…?
 自分で自分がわからなくなる。
  俺はナツに何を言わせたいんだ…

「興味っていうか…俺はもともと、男になんて興味なくて… 犬の時はもちろんメスばっかと交尾してたし… 男なんて…しかもヤられる側なんて、おまえが初めて… で… おまえ、激しいし…昨日ももう…途中からわけ、わかんなくなって…」

ナツの声が段々と、小さくなっていく…
ついでに赤面… もはや俺を見ていない… 

可愛い…んだよな、なんか、ナツのこういうところが、どうしようもなく…

多分…俺は…俺はこいつを…

俺は気付けば、シーツにくるまったままのナツに、覆いかぶさっていた。

「爽っ… な、にっ… …重っ… んっ!!」

いきなり唇を塞ぐ…  舌を絡める… 

「んっ…! んうっ  んんんっ!!」

俺は…コイツが好きだ…

ナツが好き、だ… 離れたくない…
もはや犬になんか戻ってほしくもない…
それが、今の俺の本心…
もう、隠せない…   

「 んっ… ふ、 …爽っ… !んっ…」

もう、離してなんてやらない… 
俺は心にそう決めて…
ナツの口内を舌で蹂躙するかのように、
    
      味わい続けた…



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