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爽・side

ナツの失敗

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「…ご主人様の帰りを従順に出迎える犬…か…ご苦労ご苦労…」

少しだけ上の位置になるのが癪に障るが、ナツの頭を撫でながら俺がふざけてそんな風に言うと、

「誰がだ…っ! …フンっ…」
そう、毒づきながらガルルっと…犬のように吠える姿がなんか、イイ…。

俺は、一旦自分の部屋に入り、上着とネクタイを取り去る…。

さあ…今日は…何を作ろうか…ナツはいつでも食欲旺盛なので本当に作り甲斐がある…。

洗面所で手洗いをして献立を考えながらキッチンの入口へ向かうと… 

         ん… なんか…変…だ…

    焦げ臭い… なんか焼いた…? のか … ?
 
「… ごめん… 失敗、した… 」
しょげるようにコンロの前で項垂れているナツ…。

「…ん…どうした…?何、作ってたんだ…?」そう尋ねると、ナツが続ける。

「…今日さ…人間になって初めて…その、給料…ってやつが出た…んだ。…いつもおまえに作ってもらってるし…俺も…今日くらいって思ってさ…買い物行って、一応、レシピ見ながら…やってたんだけど…なんか… …」

「…ほう …んで、 …何…に、チャレンジ…したんだ…?」

「… ハンバーグ … … 」

蓋を開けると… 見事に…真っ黒に焼けた…いや、焦げた…いびつな形のハンバーグが4つ…
ぎっしりと…フライパンを占領していた…。 

「ごめん… 途中までは…まあまあ…うまくいってたと思うんだけど… 焼き始めて少しして裏返してみたら、もう…こんなんなってて…何が悪かったかわかんなくて… ああ…ここまですげえ時間かかったのに…全部、台無し…… 」

ナツを見上げると… これでもかというほど項垂れていて…目は涙目…
犬の…しょげた耳が見えそうなくらい凹んでいて… いたたまれないほど…。 

その姿は本当に一生懸命で健気で…かわいそうなのに… 

   やっぱり俺は変で…ゾクゾクした…。

「…まあ、いいじゃん…初めて挑戦してそんな簡単には成功しないさ…ハンバーグとか…結構難易度高いぞ…気にすんな…次回楽しみにしてる。」
精一杯の慰めのつもりで、微笑みながらそう言う俺…。

ナツはわかりやすいほどに安堵し、柔らかに微笑み…  俺をドキリとさせる。

「爽…、ありがと…でもごめん…今日は出前でも取ろうか…はぁ… ショック、やっぱでけー …」
でかい図体で凹んでて…笑える…なんか、可愛くて仕方ない…俺は言葉を続ける…

「…ああ…そうだな。でもま、いいじゃん…今日は趣向を変えて、順番、変えよっか…。」

「…は…?順番…」
キョトンとした顔のナツ…いい男が台無しだ…でも、可愛い…。


「だから…、先に…夜食…にしよって言ってんだよ…? 鈍感…」
そっと、ナツの頬に触れる…。

そのまま、リビングのソファーへ…後ろ向きのまま歩かせ、押し倒す…。

「ん、わっ…!! な… 何…んっ…!! んぅっ… んんんーーーっ…!」

有無を言わせないように、ナツの唇を強引に塞ぐ。
舌を…口内奥深くへねじ込む…。「んっ…ん…」唸るナツ… 可愛い…

あとは…俺のしたいように… ナツをとろとろに、とろかすだけ…

 俺は奴のシャツの中に手を滑り込ませた…。










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