【完結】ダメなのはわかってる、それでも。

もえこ

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ドッキリ疑惑

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時計の針はもう、午後12時をまわろうとしていた。

夫と子供の寝息がリビングの隣の寝室から聞こえてきて、ハッとした。それと同時に自分のしたことに愕然とした。
ついに、自分の気持ちを克之に真っ直ぐに伝えてしまった。

私はいったい…どうしてしまったのだろう。

この時間だからもう返事は来ないと思っていたのに、驚くほど早く、克之から返事がきた。

「今貰ったラインの内容が、本当に岡田さんの本心なら、僕はあなたに、できるだけ早く、会いたいです…。でも、もし…ドッキリ…とかなら、もう僕は立ち直れないと思うので、今すぐ、さよならしてください。」

ドッキリ…なんて、このタイミングで仕掛ける余裕は私には残っていない。私はなんだか気が抜けてしまい、不覚にも、思わず、クスッと笑ってしまった。
なんて、かわいい人なんだろう。克之のこんな一面を、私は今まで、全く知らなかった。

その後、決してドッキリなどではないと彼にきちんと伝え、私と克之は三度目の、会う約束をした。

    もう、後戻りはできない。
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