【完結】ダメなのはわかってる、それでも。

もえこ

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出会い

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出会いは数年前にさかのぼる。

彼のいる部署に、私が県外から
異動してきたのが最初の出会いだった。

彼の名前は、佐山克之、45歳、独身。
色素の薄い肌や髪。
鼻梁が高く、目はさほど大きくはないが
全体的に整っている。

私は岡田佐和子、38歳、既婚。

彼と私は同じ部署の同僚、
それだけの関係で、それ以上でも、それ以下でもなかった。

ただ、私は今、彼の腕の中に取り込まれ、
ベッドの上できつく、抱き締められている。

どうして、こうなったのか。
なぜ、あのとき、自制出来なかったのか…
今までの自分の人生からは、全く想像できなかった現実に、ただただ、驚く。

これは、
ごく普通のどこにでもいる既婚女性が、不実の恋に溺れて、人生で初めての嫉妬に苦しみ戸惑い、彷徨う物語。

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