【完結・R18】鉄道の恐怖

もえこ

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清春編

子ども

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真由は、意識朦朧としながらも、今頃…怒っているだろうか…
遺書に書いたのに…ちゃんとお願いしたのに、お兄ちゃんの馬鹿、ひどいよと…罵られるだろうか…

そして、この先ターゲットとなる茉優子は清春の末路を知れば、どれほど驚くだろうか…

ああ… 
    
     … 楽しみで仕方ない… 

あの気弱そうな女に近付き、脅し…無理矢理に組み伏せ、全てを滅茶苦茶にしてやる…

あの女を取り巻く地位も、名誉も、仕事も、家庭も…そして、今まで清春とDV旦那にささげてきたであろうあの白くか細い身体も… 
何もかもを全て、力ずくで、奪ってやる…

待っていろ、茉優子…

真由以外の全ての女は、同じだ…

その… 人生に迷い苦しむ男を惑わせるような、清楚ぶった女の仮面を…俺が必ず全部…
俺のやり方で、全て…
      引き剥がしてやる…


俺は珈琲をスプーンでかき混ぜながら、
ゆっくりと鞄から、携帯とイヤフォンを取り出す。

清春が聞こうとしなかった録音がまだ、残っている…

いまだ、俺しか耳にしていない男女の記録…

俺は再生ボタンを、
    ゆっくりと…押し下げる…


 真由…   

   なぜ、早まった…?
     なぜ、死を選んだ… ?
 
おまえはまだ若い…

まだ、違う未来があったかもしれないのに…
おまえが生きてさえ、いてくれれば…
目を開けて微笑みながら、俺の名を呼んでくれてさえ、いれば…

清春は死なずに済んだかも、しれないのに…

  
    俺が、間違ったのだろうか…


父親がどちらかだなんて、
少なくとも俺には、全く関係ない… 
どちらでも、良い… 
そんなことは、どうでも良かった。

子供は子供…  
この世に生まれてくる全ての子供は、
   
    愛すべき、

       罪なき子供だ…


真由は、真由… 


たとえ、真由が男だろうが女だろうが妹だろうが、家族だろうが、赤の他人だろうが、
全て…関係なかった…

真由が、真由でいてくれれば、それで…

俺は真由という人間を、

    ただ、愛しているだけだ。


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