541 / 544
清春編
真由の次
しおりを挟む
自分でも驚きだった…
なぜなら、俺にそんな趣味や性癖がないからだ。
40年以上、男にキスをすることなど、想像したことすらなかったのに…
なぜかあの時本能で、清春の顎に手をかけ、無理矢理に唇を塞いでしまった…
舌を、清春の口内…奥深くまでいやらしく絡め、何度も吸い上げると、
清春はまるで、水の中で溺れかけた金魚のように、ハフハフと呼吸をしつつ、真っ赤な顔をして、俺の舌から逃れようと身をよじった…
清春は確実に混乱していたが…
実のところ、俺もかなり自分の行動に困惑していた…
ぎゅっと閉じられた瞼…長い睫毛…
男のくせに、なんと…官能的な表情なのだ…
清春はもともと整った顔立ちだが、俺がキスをした瞬間からその顔が苦しげに歪み…刻まれた眉間の皺が…男の俺にキスをされた驚きとともに、不快感を表しているように見えた。
だが、清春の戸惑っている表情がやけに扇情的で…余計に俺は高ぶり…再び、あまり間を開けずに唇を塞いだ…
死んでも人には言えないが、危うく俺のそれが反応しかけるほどに、その時の清春は色気を帯びていた…
この世から消えてしまう者が…発する…特有の… 最後の美しさとでもいうのだろうか…
ふと、気になった…
そういえば…
清春は果たして、真由の最後の手紙を読んだのだろうか…
読んでいたら読んでいたで、死ぬ直前に苦悩を抱えただろう…
まあ、清春のあの臆病な性格であれば…
あるいは…
とにかく、清春という男は、今思えば…
俺の人生において、真由の次に…好きな男…人間だったのかもしれない…
しかし男に…
俺に、二言はない。
もはや、決定事項だった。
清春を消す…
清春が、茉優子と密かに通じ、真由を苦しめたのは事実だ…
もはや消すことしか、頭になかった。
なぜなら、俺にそんな趣味や性癖がないからだ。
40年以上、男にキスをすることなど、想像したことすらなかったのに…
なぜかあの時本能で、清春の顎に手をかけ、無理矢理に唇を塞いでしまった…
舌を、清春の口内…奥深くまでいやらしく絡め、何度も吸い上げると、
清春はまるで、水の中で溺れかけた金魚のように、ハフハフと呼吸をしつつ、真っ赤な顔をして、俺の舌から逃れようと身をよじった…
清春は確実に混乱していたが…
実のところ、俺もかなり自分の行動に困惑していた…
ぎゅっと閉じられた瞼…長い睫毛…
男のくせに、なんと…官能的な表情なのだ…
清春はもともと整った顔立ちだが、俺がキスをした瞬間からその顔が苦しげに歪み…刻まれた眉間の皺が…男の俺にキスをされた驚きとともに、不快感を表しているように見えた。
だが、清春の戸惑っている表情がやけに扇情的で…余計に俺は高ぶり…再び、あまり間を開けずに唇を塞いだ…
死んでも人には言えないが、危うく俺のそれが反応しかけるほどに、その時の清春は色気を帯びていた…
この世から消えてしまう者が…発する…特有の… 最後の美しさとでもいうのだろうか…
ふと、気になった…
そういえば…
清春は果たして、真由の最後の手紙を読んだのだろうか…
読んでいたら読んでいたで、死ぬ直前に苦悩を抱えただろう…
まあ、清春のあの臆病な性格であれば…
あるいは…
とにかく、清春という男は、今思えば…
俺の人生において、真由の次に…好きな男…人間だったのかもしれない…
しかし男に…
俺に、二言はない。
もはや、決定事項だった。
清春を消す…
清春が、茉優子と密かに通じ、真由を苦しめたのは事実だ…
もはや消すことしか、頭になかった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
70
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる