533 / 544
清春編
不協和音
しおりを挟む
ああ…
それにしても今…一体何時なのだろう…
満月に近い月が…
丸く… 決して、鮮明とは言いがたい色味の、青白い月が…
雲に遠慮がちに隠れるようにしながらも、その存在を見せつけてくる…
まるで、茉優子のようだ… 隠せていない、色香…
ああ… 寒いな…
やはり、ここは寒い…
体の感覚はあまりないが、さすがに寒いことだけはわかる…
俺の顔の上を…夜の冷たい風が…容赦なく、過ぎ去っていく…
寒い… 寒いな…
カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカン
遠くから…
よく、聞き慣れた音がする…
よく…
こんなところまで…俺を運んで来たものだ…
男、一人でどうやって
…もしや共犯者が…?
いや、映画ではあるまいし… しかし、あの男の行動力には恐れ入る…
そして、恐ろしいほどに有言実行だ…
あの男なら、確実にやるとは思っていたが…
やはり、俺の想像通りだ…
いや…想像以上…
想像の斜め上… いや、もはや上空だな…
カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカン
音は鳴り止まない…
なんとも不快で…うるさい音だ…
ここから先には行くな…今は絶対に、駄目だ…
人に警戒心を与えるために作られた、不協和音のような…高い音…
ごく稀に…この音に… 誤って… 吸い込まれてしまう者が、いるという。
俺の先はもう、見えている…
だから、今、心から願う…
それにしても今…一体何時なのだろう…
満月に近い月が…
丸く… 決して、鮮明とは言いがたい色味の、青白い月が…
雲に遠慮がちに隠れるようにしながらも、その存在を見せつけてくる…
まるで、茉優子のようだ… 隠せていない、色香…
ああ… 寒いな…
やはり、ここは寒い…
体の感覚はあまりないが、さすがに寒いことだけはわかる…
俺の顔の上を…夜の冷たい風が…容赦なく、過ぎ去っていく…
寒い… 寒いな…
カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカン
遠くから…
よく、聞き慣れた音がする…
よく…
こんなところまで…俺を運んで来たものだ…
男、一人でどうやって
…もしや共犯者が…?
いや、映画ではあるまいし… しかし、あの男の行動力には恐れ入る…
そして、恐ろしいほどに有言実行だ…
あの男なら、確実にやるとは思っていたが…
やはり、俺の想像通りだ…
いや…想像以上…
想像の斜め上… いや、もはや上空だな…
カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカン
音は鳴り止まない…
なんとも不快で…うるさい音だ…
ここから先には行くな…今は絶対に、駄目だ…
人に警戒心を与えるために作られた、不協和音のような…高い音…
ごく稀に…この音に… 誤って… 吸い込まれてしまう者が、いるという。
俺の先はもう、見えている…
だから、今、心から願う…
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
70
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる