【完結・R18】鉄道の恐怖

清春編

移動

目を開けると…


そこは、闇… 

　　　　　 暗闇… 

寒い…  屋外…     間違いなく屋外だ… 

俺はついさっきまで…
　　　　　何を、していたっけ…

そうだ… 

真由の付き添いを…哲也と交代して…
自宅に帰り…
久しぶりにソファで寛ごうかと思っていたところだった…

珈琲を淹れ… コンビニで買ったケーキを真由の気に入りの皿に盛り… …   

それで… 
　　　　　　　それから…   

そうだ、あの男が、
既に部屋に侵入していた…  
驚いた… 心臓が止まるほどに…

そして哲也は俺を…脅し…
有無を言わさず殴り…四角い無機質な部屋に、拉致して… 

手足を縛られ…拘束されたまま、あの男の長い、話を…     

とんでもない、音声… を聞かされて…       
真由の手紙…  

ああ…

もう、いい… あまり、考えたくない…

なぜだろう…
さっきから異常に、眠い… 

手足も…今は縛られているわけでもないのに、あまり動かない…   

さっき…哲也に何か…
首の横あたりに、何か針のようなものを突き刺された…     
　　　　　　　薬か…？　

今、生きているということは即効性の毒などではなかったようだが… 

　　　　　麻酔薬か、何か…か…

医学の知識がないので、何もわからない…　

さきほどから、少し手足が痺れているような気がするのは、そのせいだろうか…

　　だが、その後の記憶が一切ない…

俺はあの瞬間、死んだと思った… 

そうか、毒殺か…などと、頭の隅で意外と冷静に考えたのを最後に…

　　命を、絶たれたと思っていたのに…  

なぜ…
こんな場所で、寝かされているのか…
どうやって俺をここへ運んできたのか…

　　　　ここは… 

　　　　　　　どう見ても…