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清春編
新境地
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すぐそこに、哲也の気配…
「既に目を閉じているな…実に潔い…いい子だ…タイミングによるが、 君の希望どおりになることを祈っているよ…なるべく君が苦しまないことを…俺は心から、祈っている。 」
タイミング…?
意味が、わからない…
そして…
人を一人、今から手にかけようとしている人間が…さすがに胸の内までは分かり得ないが…神妙に、祈りの言葉を捧げている…
最後の最後まで、おかしな男だ…
気が抜けてしまい、本当に思わず…笑みが溢れてしまう… 笑っている場合ではない状況にも関わらず…
「おや…何を笑っている…?
それにしてもやはり君は、笑うと本当に可愛らしい… 真由が君を好きになった気持ちが少し、わかるな…」哲也が呟く。
「… … … … … 」
男に可愛いなどと…言われたくは無い。
俺は目を閉じたまま、無視を決め込む。
「…最後に、お別れのキスをしていいかな…したいな…するぞ… 」
「… え … 」
耳を疑った… 最後の、冗談か…
「…ん、むっ…!!」
だが、冗談ではなかった…
顎をつかまれ… いきなり唇を塞がれる…
そうだ、この男は冗談が嫌いだ… と …前に
あっ… 嘘、だ …
んっ… ん… ぅ
男の舌が軽やかに…俺の口内に… 滑り込む…
舌を絡められ… きつく、吸われる…
俺は生まれて初めて、男と初めて… キスを…
しかも、舌が …
男の… 哲也の舌… が…口内をうごめく…
頭が真っ白になる…目を開けるのも、怖い…
「んんっ… う … んっ… 」息が苦し…
次の瞬間、ちゅっと音を立てて唇が離れ、
「…本当に…反応すら、可愛い男だな…
交代の時間だ…
ゆっくり、おやすみ…清春くん… 」
交代…
そんな意味だとは…
微塵も…
哲也の、甘い声…を最後に
プ…ツ…
チクリと、痛みが走った…
首のあたりに…
何かを刺された… 針… みたいな…
そう、… か… 注射針… ?
毒… 殺… … か…
「んっ!… う… ん… ふ … 」
考える隙を与えずまた、唇を塞がれる…
まるで、飢えた…獣のように…
哲也は俺の唇を、無心に貪る…なんなんだ…
やはり、両刀… ? … 意味がわからない
別れのキス、だと…?
お前が引き金を引いておきながら、その相手に…こんなにも激しいキスを…
さっぱり、わからない…
やはり…この男は頭が、おかしい…
だがその唇は…
異常なほどに、柔らかい…
これは、新境地だ…
男の唇はもっと、固いと…思っていた…
意識が遠のく、寸前… 俺は
そんな阿呆なことを、思った。
「既に目を閉じているな…実に潔い…いい子だ…タイミングによるが、 君の希望どおりになることを祈っているよ…なるべく君が苦しまないことを…俺は心から、祈っている。 」
タイミング…?
意味が、わからない…
そして…
人を一人、今から手にかけようとしている人間が…さすがに胸の内までは分かり得ないが…神妙に、祈りの言葉を捧げている…
最後の最後まで、おかしな男だ…
気が抜けてしまい、本当に思わず…笑みが溢れてしまう… 笑っている場合ではない状況にも関わらず…
「おや…何を笑っている…?
それにしてもやはり君は、笑うと本当に可愛らしい… 真由が君を好きになった気持ちが少し、わかるな…」哲也が呟く。
「… … … … … 」
男に可愛いなどと…言われたくは無い。
俺は目を閉じたまま、無視を決め込む。
「…最後に、お別れのキスをしていいかな…したいな…するぞ… 」
「… え … 」
耳を疑った… 最後の、冗談か…
「…ん、むっ…!!」
だが、冗談ではなかった…
顎をつかまれ… いきなり唇を塞がれる…
そうだ、この男は冗談が嫌いだ… と …前に
あっ… 嘘、だ …
んっ… ん… ぅ
男の舌が軽やかに…俺の口内に… 滑り込む…
舌を絡められ… きつく、吸われる…
俺は生まれて初めて、男と初めて… キスを…
しかも、舌が …
男の… 哲也の舌… が…口内をうごめく…
頭が真っ白になる…目を開けるのも、怖い…
「んんっ… う … んっ… 」息が苦し…
次の瞬間、ちゅっと音を立てて唇が離れ、
「…本当に…反応すら、可愛い男だな…
交代の時間だ…
ゆっくり、おやすみ…清春くん… 」
交代…
そんな意味だとは…
微塵も…
哲也の、甘い声…を最後に
プ…ツ…
チクリと、痛みが走った…
首のあたりに…
何かを刺された… 針… みたいな…
そう、… か… 注射針… ?
毒… 殺… … か…
「んっ!… う… ん… ふ … 」
考える隙を与えずまた、唇を塞がれる…
まるで、飢えた…獣のように…
哲也は俺の唇を、無心に貪る…なんなんだ…
やはり、両刀… ? … 意味がわからない
別れのキス、だと…?
お前が引き金を引いておきながら、その相手に…こんなにも激しいキスを…
さっぱり、わからない…
やはり…この男は頭が、おかしい…
だがその唇は…
異常なほどに、柔らかい…
これは、新境地だ…
男の唇はもっと、固いと…思っていた…
意識が遠のく、寸前… 俺は
そんな阿呆なことを、思った。
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