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清春編
選択肢
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男が口を開く。
「先に言っておくが、俺は既に内容に目を通している。なぜと思われるかもしれないが、真由の手帳に走り書きのように書かれていた手紙でも…やはり真由の気持ちを表す遺書だ…。読まない選択肢はなかった。たとえ、俺あてのものでなかったとしてもな…まあ、真由の全ては俺のものだ…そこは、諦めろ… くくっ… 」
「は… はっ… 」
なぜ…勝手に…俺あてのものまで…読んだんだ…許せない…
そう、思ったのだが…駄目だ…
もはや、まともに言葉を発することが出来ない…反論できない…
もう…全ては…俺の全ては、あの男の意のままだ…抵抗したって無駄だ…
「そうそう…完全に忘れていた… もう一つ二つ、…男女の情事の記録があったんだった…聞きたいか…?」
いきなりの男の発言…突発的過ぎて、本当に意味が分からない…
「… は… ?」
今度こそ、俺と茉優子ではないか…誰が…聞くものか…
「断る…聞きたく、ない… 」
「ふうん… … 」男はニヤリと意味深な表情で笑う。
やはり、そうか… 絶望だ… 心の中で…
この先…この男から脅しをかけられるかもしれない茉優子に、心から申し訳なく思う。
「そうか… 残念だな… ちなみに… 君には一つの選択肢を与える… 」
「選択… 肢… ?」
「ああ、選択肢… 真由の遺書を読まない、選択肢だ…」
「言っている…意味が…よく、わからない…」
「意味…そうだな、強いて言えば…おまえが消えるからかな…」
「は… … ?」
「すぐに消えてしまう人間が…今更…死のうとした人間の気持ちを…真由の遺書を読んでなんになるんだ…?」
「は … …」
さきほどから…消す、消すと…
この男は何度、口に出せば、気が済むんだ…
いい加減、わかってるよ…面倒くさい…
俺は、力なく…
ため息をついた。
「先に言っておくが、俺は既に内容に目を通している。なぜと思われるかもしれないが、真由の手帳に走り書きのように書かれていた手紙でも…やはり真由の気持ちを表す遺書だ…。読まない選択肢はなかった。たとえ、俺あてのものでなかったとしてもな…まあ、真由の全ては俺のものだ…そこは、諦めろ… くくっ… 」
「は… はっ… 」
なぜ…勝手に…俺あてのものまで…読んだんだ…許せない…
そう、思ったのだが…駄目だ…
もはや、まともに言葉を発することが出来ない…反論できない…
もう…全ては…俺の全ては、あの男の意のままだ…抵抗したって無駄だ…
「そうそう…完全に忘れていた… もう一つ二つ、…男女の情事の記録があったんだった…聞きたいか…?」
いきなりの男の発言…突発的過ぎて、本当に意味が分からない…
「… は… ?」
今度こそ、俺と茉優子ではないか…誰が…聞くものか…
「断る…聞きたく、ない… 」
「ふうん… … 」男はニヤリと意味深な表情で笑う。
やはり、そうか… 絶望だ… 心の中で…
この先…この男から脅しをかけられるかもしれない茉優子に、心から申し訳なく思う。
「そうか… 残念だな… ちなみに… 君には一つの選択肢を与える… 」
「選択… 肢… ?」
「ああ、選択肢… 真由の遺書を読まない、選択肢だ…」
「言っている…意味が…よく、わからない…」
「意味…そうだな、強いて言えば…おまえが消えるからかな…」
「は… … ?」
「すぐに消えてしまう人間が…今更…死のうとした人間の気持ちを…真由の遺書を読んでなんになるんだ…?」
「は … …」
さきほどから…消す、消すと…
この男は何度、口に出せば、気が済むんだ…
いい加減、わかってるよ…面倒くさい…
俺は、力なく…
ため息をついた。
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