【完結・R18】鉄道の恐怖

清春編

疑問

俺は、浮かんだ疑問をそのまま口にした。

「なぜ… 真由の自殺の原因がそれだけではないと…そう、言い切れる… ？遺書も、見つかってはいないのに… …」

男が俺を見下ろし、微笑む。

「これは…なんだと、思う…？」

男が自身の肩掛けバッグから取り出したもの…

それは、一枚の紙… 
A4サイズくらいの白い紙と…
イヤフォンが本体に巻かれた黒い携帯電話だった。

俺には見覚えがない携帯…

少なくとも真由のものではない。

真由のものはピンクの花をあしらったような少し派手めのカバーがかけられていた。
確か、リビングの引き出しに入れておいたはず…

哲也の携帯電話だろうか…

俺が不思議そうにそれらを見ていると、
哲也が口を開く。
「ここに… 真由が、書き記した手紙がある」

「…        手紙…  …？」

手紙…      手紙とは、なんだ…　　

　　　　真由が書いた…　手紙…　？　

「…    いつの…  …？」
いつのものだ… 
　
自然と、問いかけの声が、震える…

「これは、真由の部屋にあった手帳に記されていたものを拡大コピーしたものだ。
書いたのは…恐らく、自殺の当日…丁寧に日付と…宛名が、記載されている… 」

「あ…     、あ…     宛名… ？」

「ああ…俺あてのものと…君あてのもの…真由の最後のラブレター…の、ような… 」

「…そ…んな、ものが…   え…？」

哲也から聞かされてしばらくの間…


　　　俺は驚きで、

　　　　　　言葉をなくした…