【完結・R18】鉄道の恐怖

もえこ

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清春編

昼食

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珈琲… ケーキ… 
今はそんなこと、どうでもいい…
一体、なんなんだ… この男の意図は… 
俺は理解に苦しむ。

「ほら…どうした…飲まないのか、珈琲…
ああ…冷めているから台無しかな… 」
男は俺の顎をつかんだまま、珈琲を促す。

この状態で、どうやって珈琲を…ケーキを食べろと言うのか、意味がわからない…

痛い…あごと…頬周辺の皮膚がよじれて、少し痛い… なんで俺は今、こんな目に…

ここは、俺と真由の家…
哲也は勝手に主人がいない間にこの家に入り込んだ不法侵入者…

俺が下手したてに出る必要はない…

「いい加減、離せっ…!」
俺は身を捩り、顎に触れたままの男の手を思い切り払い除け、今度はこちらから男の方へ手を伸ばす…

だが、素早くかわされた後、両手を強い力で掴まれ、瞬く間に、後ろ手に何かで拘束されたような形にされる…   

なんだ…
   もしかして、縛られ、た…

身動きがさらに一層、取れなくなり…
この状況に、段々と恐怖を覚え始める。

「… 痛っ…!何、すっ… る… 」

「病院から戻って一息ついているときに悪かったな…だが、君の両親の訪問で予定が変わったんだ…仕方ないだろう…?
昼食は…食事は既に済ませたと言っていたよな… 満足したか…?」

「 …    …    」

わからない…

昼が… なんだと、言うのだ…
そんなこと…今のこの状況に、何の関係もないだろう…

俺が困惑したまま黙っていると男がさらに続ける。
「…珈琲とケーキはもういいのか…?」
ますます、質問の意図がわからない…
「は … この状態で、ど…うやって…」

「何か…最後に言いたいことはあるか…?」
哲也は…全くと言っていいほど、人の話を聞いていない… 
ついさきほどまでは、なんとか意思疎通ができていたように思うが、

今は…なんだか、 おかしい…

その目が、さきほどとは打って変わってうつろで…余計に、

   恐ろしい気持ちがしてくる…



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