【完結・R18】鉄道の恐怖

清春編

傲慢

相手に、何も、言わずして…
自分から、何も苦情を申し述べず…なんら、主張もしていないのに…

相手が自分の思い通りに動かないことに、勝手に苛立つのは、どうなのか…。

俺は、俺…　真由は真由。

育ってきた環境も違うし、考え方もまるで違う。

綺麗好きな親の元で育ったのか、否か…

贅沢な家で育ったのか、親が苦労に苦労を重ねるような貧困な家で育ったのか…

人は皆、違う…。

だからこそ、言葉で…態度で…　
その違いについて互いに話し合い…なんとかその違いを埋め合わせようと歩み寄るべき、なのに…
それが、曲がりなりにもお互いに好き合って結びついた、夫婦のあるべき理想の姿であるはずなのに…

相手に自分の不満を言わずして…だんまりを決め込み…　　
あくまで自分の行動がさも正しいという自信のもとに…時には他人に、相手のことを愚痴り…
自分の理想とする生活の仕方に相手が沿わない行動をとることに憤りを覚えるのは…

　　　　　　　傲慢…

傲慢以外の、なにものでもないのかも、しれない…
　
相手は自分の思い通りに動く人形ではない…
自分が許せないことが、相手には許せる事柄なのかもしれない…

許容範囲は人それぞれ、違うのだ…　　　

だからこそ、必要とされる会話…　
真由とのコミュニケーションを…

俺は自ら、放棄してしまっていた。

　　　　　今頃になって、


　　　　　気付くとは…