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清春編
現実
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俺の予想通り、両親は朝一番の列車に乗り病院までやってきた。
時間にしてまだ朝の10時前…
やはり昨日の俺との会話の後、すぐさま諸々の手配をしたのだろう…
「清春… 大変やったね、それで、真由さんはどこね…」
病院の入り口で、父と母はいつになく神妙な面持ちで俺を見るなり、そんな風に声を掛けてきた。
「ああ…遠いのにわざわざありがとう…こっちだよ…」
いくつかの管に繋がれたまま横たわる青白い真由を見て両親はどう思うだろう…
どう、説明したらいいのか…
いまだにろくなシュミレーションもできぬまま、俺は両親を真由のもとへいざなった。
『…真由さん…』
両親が声をそろえて真由に歩み寄る…
「なんで…なんでよ、なんで真由さんがこんなことに… 」
母が震える声で呟き、真由の手を握り締める…
父が今にも泣き出しそうに顔を歪めて真由を見下ろすが、無言のままだ…
「…まだ、目を覚さないんだ… 先生が言うには… … それで、病状はね … これから…」
俺は…真由を驚きの表情で見つめる両親を前に、経過と病状を一通り説明する。
途中に口を挟む余地を極力与えたくない一心で… 少し、早いスピードで…
母は嘆く。
「そんなことって… 真由さん、このまま…意識戻らん可能性も…あるってことね… …そんな… … こんなにまだ…若いのに…綺麗なのに…嘘やろう…清春…」
「… … … ん… … …」
俺には何も答えられない…
俺だって、これは嘘だと…叫び出したい…
でも、ここ数日で嫌と言うほどわかった…
これは紛れもない…
現実なのだ…
時間にしてまだ朝の10時前…
やはり昨日の俺との会話の後、すぐさま諸々の手配をしたのだろう…
「清春… 大変やったね、それで、真由さんはどこね…」
病院の入り口で、父と母はいつになく神妙な面持ちで俺を見るなり、そんな風に声を掛けてきた。
「ああ…遠いのにわざわざありがとう…こっちだよ…」
いくつかの管に繋がれたまま横たわる青白い真由を見て両親はどう思うだろう…
どう、説明したらいいのか…
いまだにろくなシュミレーションもできぬまま、俺は両親を真由のもとへいざなった。
『…真由さん…』
両親が声をそろえて真由に歩み寄る…
「なんで…なんでよ、なんで真由さんがこんなことに… 」
母が震える声で呟き、真由の手を握り締める…
父が今にも泣き出しそうに顔を歪めて真由を見下ろすが、無言のままだ…
「…まだ、目を覚さないんだ… 先生が言うには… … それで、病状はね … これから…」
俺は…真由を驚きの表情で見つめる両親を前に、経過と病状を一通り説明する。
途中に口を挟む余地を極力与えたくない一心で… 少し、早いスピードで…
母は嘆く。
「そんなことって… 真由さん、このまま…意識戻らん可能性も…あるってことね… …そんな… … こんなにまだ…若いのに…綺麗なのに…嘘やろう…清春…」
「… … … ん… … …」
俺には何も答えられない…
俺だって、これは嘘だと…叫び出したい…
でも、ここ数日で嫌と言うほどわかった…
これは紛れもない…
現実なのだ…
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