【完結・R18】鉄道の恐怖

清春編

予感

狡い話かもしれないが、
真由が自殺未遂をしたかもしれない…などということを…親に知られたくなかった。

ことの詳細を聞けば、間違いなく親は物凄く驚き…一体何が原因なのか…一体何が、あの明るくて無邪気な真由を、そういう行動に走らせたのかと、真っ先に俺に聞いてくるだろう…

そうすれば、
俺に一体、どんな回答ができるのか…

実は、俺がよその女と不貞行為をはたらき…それが真由にばれてしまったのかもしれない…
あくまで推測だが…
もしかしたら…それを苦に、薬を飲んだのかもしれない…でも、遺書などはいまだに発見されていないから…本当の理由は今のところ不明なままだ…  

いや、そもそも、自殺じゃないのかも…
家の中ではあっても、予想もしないようなことが突発的に起きた、事故かもしれないし、他にも色々、理由があるのかも、しれないし…

などと、
平気な顔で両親に説明…できるのか…？
哲也のいる目の前で…？
そんなこと、
　　　　　できるわけがない…

だが、当事者が俺と両親だけなら、なんとか誤魔化せる…

親も年々、歳を取ってきている…
適当にぼかし、核心に触れないような説明をしながら、見舞いをしてもらうことだってできるかもしれない…

だが、哲也が仮に同席…するとなると…

想像するのが恐ろしいほどに、

　　　　　悪い予感しかしない…