【完結・R18】鉄道の恐怖

もえこ

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清春編

予想外

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哲也か…

画面を見ると、予想に反して…その着信は母親からのものだった。
俺はほっと胸を撫で下ろすと同時に、少しだけ焦る。

なぜなら真由があの夜に倒れて…
実は両親に真由のことをきちんと話せていないからだ。

真由が病院に運ばれた日の翌日に、もちろん一度連絡は、した…。

だが、命の危機を脱して以降…それ以降…
一度だけ電話で簡単に病状を伝え、その後も意識が戻らず入院中だということを伝えたのみで…放置…両親の対応を放置していた。

俺自身気が動転していて、実家への連絡を後回しにしてしまったというのもあるが、実のところ…細かなことを二人に、根掘り葉掘り聞かれるのが嫌だったのだ…

真由が睡眠薬を飲みすぎて倒れたなどという説明すら、していない。
俺の不在時に、体調不良で薬を飲んだ後…薬が合わなかったのか本当にただ転倒して頭を打ったのか定かではないだが…そのまま救急で病院に運ばれ、意識不明だと…

そんな曖昧な説明しか、していない…。

二度目の電話の際は、父親まで電話口に出てきて、すぐに病院に見舞いに来たいと…たとえ真由の意識が戻らない状態であっても居ても立っても居られない…すぐに来たいと…そんな話をしていた。

真由と、仕事のこと…
哲也の対応など、俺の頭の中がごちゃごちゃになり、心配ない、こちらが落ち着いてからまたこちらから連絡するからと先日、連絡したままだった…
気付けば、もう何日も日が経過している。

きっと痺れを切らしたに違いない…

ああ…正直この電話にも出たくないが、仕方ない…適当に話を切り上げてそろそろ哲也のメッセージを確認せねば…

俺は諦めの境地で、電話が可能な場所に行き着き、通話ボタンを押した。
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