【完結・R18】鉄道の恐怖

もえこ

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清春編

確信

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俺は一瞬、ボタンを押すのを躊躇する。
哲也からのメッセージを読むのはいつも気が滅入る…

嬉しい内容だったためしがない…

単なる事務連絡とは分かっていてもなんとなく、暗い気持ちになってしまう。
この感情は、哲也という人間の得体のしれなさからくるものなのかもしれない…

真由が…
まあ、兄だとはいえ、あのように奇妙な雰囲気を身に纏った男を真由があんなにも慕っている意味が、いまだにわからない…

まあ、真由にしてみれば…
赤ん坊の時から…真由が生まれた時から真由を迎え、可愛がってきた兄だ…
好きなのは間違いない…

それはそれとしてあの二人の距離感…

シスコンだかブラコンだかしらないが、あんなにも仲が良い兄弟を俺は未だかつて、目にしたことがない…

前に職場の先輩が4つ上の姉の話をしていたが、その姉は子供の頃から母親のように口うるさいとかで…実家に帰っても母親が二人いるような感覚で気が休まらないとぼやいていたっけ…

哲也と真由はそれとは明らかに違う。
それはもう、真由も兄も、互いに好きで仕方がないのだろう…両親の事故をきっかけにより一層、結びついたのかもしれないが…

だがそれにしても…
哲也の真由に対する仕草が…その、触れ方…接し方は…やはり異常だ…

思い起こせば最初に会った時から、哲也が真由の頭を本当に愛おしそうに撫でることがあった。

年の少し離れた兄弟だから、本当に仲が良いのだなと俺は納得し、兄弟がいない俺にとっては微笑まし過ぎるほどの眩しい風景だな、などと思っていたのだが…  

きっとそれは、

   根本的に間違いだったのだ。

      俺は確信した。
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