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清春編
組織
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「… … さん… したさん… 」
ん… … … ? 声がする…
女の声… また、あの白い女… ?
あの二人のどちらかが、俺を… ?
… … … … あれ…
「坂下さん… 、大丈夫ですか… ?」
「はっ…!はいっ…!すみません、俺っ…」
「いえいえ… 奥様のお隣、寝心地がいいですよね… 真由さんも微笑んでいると思いますよ…でもすみません、ちょっとだけ、真由さんの様子を見てよろしいですか… ?」
「はは…お恥ずかしい… すみません 」
真由を担当しているであろう一人の看護師が俺が起きると同時にゆっくりと俺の肩から手を離した。
俺は真由にもたれかかるようにして眠っていたようだ… 看護師の表情がなんとなく優しい。
もしかして、俺の顔によだれでもついているだろうか…すぐさま口元に触れるがとりあえず濡れてはおらず、ホッとする。
俺はすぐさま椅子から立ち上がり、「お願いします」と小さな声で言い、廊下へ出る。
「真由さん…お変わりないですか…?検温しますね~ … … 」
室内から、看護師が真由に優しく語りかける声が聞こえてくる…
認めたくはないが意識不明の…ある意味、絶望的な状態の真由…そんな患者に対してもあんな風に…優しく…接してくれる看護師…
医者をはじめ…
医療従事者には頭が下がる思いだ…
仕事とはいえ、人の命を預かる仕事…家族に代わって患者を保護してくれる病院スタッフ…病院という組織…
確かに、組織には違いないが…
俺が勤めている営利目的の会社とはわけが違う… 人を救うことに全力で取り組む…どこまでも献身的で…忍耐力も必要だろう…
俺もできれば企業ではなく…
こんな、人のためになる仕事を目指せば良かった…
自分の会社では…俺が一生懸命仕事をしたところで…誰も喜ばない…喜ぶのは上司だけ…
俺たちみたいなまだ下っ端の人間はただただ、与えられた仕事をこなすだけ… 人の顔も見えない…感謝すらされない種類の仕事…
振り返れば、なんで俺は…
こんな会社勤めを…
人生を、選んでしまったのか…
ん… … … ? 声がする…
女の声… また、あの白い女… ?
あの二人のどちらかが、俺を… ?
… … … … あれ…
「坂下さん… 、大丈夫ですか… ?」
「はっ…!はいっ…!すみません、俺っ…」
「いえいえ… 奥様のお隣、寝心地がいいですよね… 真由さんも微笑んでいると思いますよ…でもすみません、ちょっとだけ、真由さんの様子を見てよろしいですか… ?」
「はは…お恥ずかしい… すみません 」
真由を担当しているであろう一人の看護師が俺が起きると同時にゆっくりと俺の肩から手を離した。
俺は真由にもたれかかるようにして眠っていたようだ… 看護師の表情がなんとなく優しい。
もしかして、俺の顔によだれでもついているだろうか…すぐさま口元に触れるがとりあえず濡れてはおらず、ホッとする。
俺はすぐさま椅子から立ち上がり、「お願いします」と小さな声で言い、廊下へ出る。
「真由さん…お変わりないですか…?検温しますね~ … … 」
室内から、看護師が真由に優しく語りかける声が聞こえてくる…
認めたくはないが意識不明の…ある意味、絶望的な状態の真由…そんな患者に対してもあんな風に…優しく…接してくれる看護師…
医者をはじめ…
医療従事者には頭が下がる思いだ…
仕事とはいえ、人の命を預かる仕事…家族に代わって患者を保護してくれる病院スタッフ…病院という組織…
確かに、組織には違いないが…
俺が勤めている営利目的の会社とはわけが違う… 人を救うことに全力で取り組む…どこまでも献身的で…忍耐力も必要だろう…
俺もできれば企業ではなく…
こんな、人のためになる仕事を目指せば良かった…
自分の会社では…俺が一生懸命仕事をしたところで…誰も喜ばない…喜ぶのは上司だけ…
俺たちみたいなまだ下っ端の人間はただただ、与えられた仕事をこなすだけ… 人の顔も見えない…感謝すらされない種類の仕事…
振り返れば、なんで俺は…
こんな会社勤めを…
人生を、選んでしまったのか…
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