【完結・R18】鉄道の恐怖

もえこ

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清春編

手首

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男の低い声

「両手を出せ… … 」   
「 … いや…   …  …やめ、て… 」
「拒むのか…? ならもっとひどくするぞ… ん… ?ああ…おまえはそう、か…その方がむしろ、いいのか…」

黒い男が、低い声で、くくくと笑う。

「違います…私はそんなっ…」
女は必死に、抗う…
「いいから、早く手を出せ…これ以上、手間どらせるな…わかってるだろう…?」
さらに低くなる声… 

    まるで、脅しのようだ…

「… はい… 」女は答える。
おずおずと差し出された女の手首が、恐ろしく白く…あまりにも華奢だ… 

突然、カチャカチャと金属音をたて、男が自身のベルトを抜き去る。

     何を… …  

        まさか…  

男は女の両手を荒々しく掴み、手慣れた様子でベルトで一纏めにする。
女は震えているが、顔は…その表情は見えない…

「いや…お願い… ひどくしな…いで… 」
「後ろを向け… 」
「あ… あ…  いや… 」女が身をよじる。
「ほら、向けって…今更何を恥ずかしがっている…俺しか見ていないだろう…?」

…俺も、見ている… 

おまえは誰なんだ… 女は…  誰だ…? 

縛るという行為…    
手首にベルト…

何か…なにかが少し、

     頭の隅に引っかかる


      確か…

        誰かが…

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