420 / 544
清春編
低い声
しおりを挟む
夢から覚めたい…
そう願いながら思い切り目を閉じて、
しばらくして、目を開けてみる…
どうだ… … ?
辺りを見渡す。
ああ…
やはり、白い… まま…だ…
俺はがっくりと肩を落とす…
天井も壁も床も…どこもかしこも、奇妙なほどに真っ白な空間…
だが…先ほどとは違う。
空間は何ひとつ見えないままだが、さっきの男女がいない…
いなくなっている…
声が…あの、真由に似た、鼻に少しかかったような高い喘ぎ声が一切しない…
二人は消えていた…忽然と…
夢だからなんでもありだな…
本当に、設定も自由自在だ…
俺はこの状況に、くすりと笑う。
しかしなんでだ…
なぜ、まだ醒めてくれない…?
もういいのに…
真由に似た女と、どこぞのしらぬ男との肌の触れ合い…痴態…そんなものを見せられて一体なんになる…
もしかすると俺は、欲求不満なんだろうか…
数日前に、茉優子を…あんなにも激しく抱いたばかりだというのに…
俺は途方に暮れながらも、その白い空間の中…闇の中を歩き出す…
どこまでも白い…
少し寒いな…ぶるると、寒気がしてくる。
「… … … …」
なんだ…
今…白い闇の先の方で…
低い、男の声が聞こえた。
そう願いながら思い切り目を閉じて、
しばらくして、目を開けてみる…
どうだ… … ?
辺りを見渡す。
ああ…
やはり、白い… まま…だ…
俺はがっくりと肩を落とす…
天井も壁も床も…どこもかしこも、奇妙なほどに真っ白な空間…
だが…先ほどとは違う。
空間は何ひとつ見えないままだが、さっきの男女がいない…
いなくなっている…
声が…あの、真由に似た、鼻に少しかかったような高い喘ぎ声が一切しない…
二人は消えていた…忽然と…
夢だからなんでもありだな…
本当に、設定も自由自在だ…
俺はこの状況に、くすりと笑う。
しかしなんでだ…
なぜ、まだ醒めてくれない…?
もういいのに…
真由に似た女と、どこぞのしらぬ男との肌の触れ合い…痴態…そんなものを見せられて一体なんになる…
もしかすると俺は、欲求不満なんだろうか…
数日前に、茉優子を…あんなにも激しく抱いたばかりだというのに…
俺は途方に暮れながらも、その白い空間の中…闇の中を歩き出す…
どこまでも白い…
少し寒いな…ぶるると、寒気がしてくる。
「… … … …」
なんだ…
今…白い闇の先の方で…
低い、男の声が聞こえた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
70
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる