【完結・R18】鉄道の恐怖

もえこ

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清春編

甘い声

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白い闇から…

「んっ … んぅっ… 」女の高い、声…
恐らく男に唇を塞がれたままで…まともな声を発することができないようだ…

くちゅくちゅと… 互いの舌が情熱的に絡まるような、濡れた音…
淫らな水音は、なかなかやまない… 

やがて、ちゅっと小さな音をたてて…やっと二人の唇が離れた、ようだ…

「はっ…ぁ ん、いやっ…や、だっ… やめ… て…」女の喘ぎ…

「本当か…?それは、おまえの本心…? 本当に…やめて、いい…?」男の問い…

「あっんっ…! やぁっ… だめ、そんなとこ…触っちゃ、やぁ… んっ…」

俺も思わず、聞きたくなる…
本当にいや、なのか…?男に愛撫されているのか…明らかに感じているような、甘やかな声…  とても嫌がっているようには…

「ふふ…おまえのここ、丸くて柔らかい…しかもなんて綺麗なんだ…この感触、たまらない、よ…」男は続ける。

「ああんっ… や、っ … いや…っ… 見ないで… あぁっ… やだ、恥ずか、…」

     プチン…  
不意に、小さな音が俺の耳に届く… 金具のような… 音…
おそらくこれは…男が女のあれを…ホックを外した音… ではないか…

「や、あっ… 見ないで… 恥ずかしい… 暗く、して…  やだぁ… 」     
 
「おっと…ごめん あまりにおまえのここが…胸が…可愛くて…見たくなってしまった…ごめん、すぐに暗くしような…」

いまだに、何も見えない… 
どんなに目を凝らしても…俺の視界は、変わらない… 
そんな、真っ白な世界のままだが…その二人だけにはお互いの姿がはっきり見えているようだ…

だが、見えなくてもわかる…  
二人はベッドの上だ…

ギシリと…軋むような音をたてて…男がそこから少しだけ移動したのがわかる

これは、聞きなれた音… 
     ベッドの軋む音…   

男と女が淫らに交じり合う…そんな場所…

ああ… この二人は一体… 誰なんだ… 
姿が見えないのがもどかしい…

ただ、声が… 

その女の、声が…俺の中の何かをかき乱す… 

どこか、甘えたような… 耳をくすぐるような…そんな…女の、高い声…

どこかで…
聞いたことが、ある…   

  そんな、気が…してならない…


        
  
        
     

 
 


  
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