【完結・R18】鉄道の恐怖

もえこ

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清春編

白い闇

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「… … ちゃん… や…だめ…だよ… …」

           

    なんだ    …  …  ?



遠くから… 
誰だろう… 
  なんだか、懐かしい声がする…  

誰だろう…  誰…だ… …



じっと目を凝らすが… あたりは白い… 
真っ白だ…霧の中のように真っ白な… 場所… 

おかしい…  真っ白だ…  
何も見えない…    霧か… ?   


暗闇じゃない… ある意味、 白い、闇…

     どこだろう…ここは…

壁とか、床とか、天井とか…そんな境目もわからず、室外か室内かもわからない…
  

「ねえ…  や、だめっ…    あっ…」
「可愛いな… おまえはずっと… 昔から… 本当に… 」 

男と女…の声がする… 

「駄目…だよ…絶対に… だめ…っ …やめ…  て… 」

女がどうやら、拒否をしている…
男を止めようとしているのか…? 

「…可愛い…おまえは本当に…可愛くて… 奔放で… 」
男が甘やかな声で、囁く…  
女の拒否の言葉を右から左に流しているのか…? 

「あっ、ん… やめて… だめ…、駄目… わかってる、でしょう…」
「… ん… 何が… ?」
「… あっ… ん、  駄目っ… 絶対にダメ…やだっ… あ… 」
「好きだ…好き、なんだよ…俺はおまえが… 今も…昔も… ずっと… …」
「…やめて… 言わないで…  だめ、だよ…  それ以上はっ… い、やぁ …」

かすかに。衣擦れのような音…  服を… 
脱がせているのか…

「… 本当に… … 嫌…か… ?」
「だって… 私…たちが、悪い…ことをしたから… あんなっ… や、ぁん っ…だめだってば…」
「… 悪い…こと… ?…どんな… ?」
「意地悪っ… わかってる… くせ、にっ…ああっ…  やだ、くすぐった… んっ…んぅっ… !」

  ガタンと、物音がする…   
女が、押し倒された…?…   ような、音だ…


     くちゅ…ん… ちゅっ…

 何も見えない…

だが、俺には、わかった… わかってしまった…
この男女のやり取り…
この、響き渡る、水音…

二人は、今… この闇の中で… 濃厚なキスをしている…   淫らに…  激しく…
本音はともかくも、表面上は抗っている女に対し…

  男が強引に… キスを…している…

        まただ…  
 
  俺は一体、
    何を見せられているんだ… 

       
  


 







 
  






 


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