【完結・R18】鉄道の恐怖

清春編

交代

『こんにちは。真由は残念ですがまだ目を覚ましていません。交代のことですが、僕はまだ休みが余っているのですぐじゃなくて全然大丈夫ですが…お兄さんが良ければ週末まででも、全然』

むしろ交代などしたくない…
会社にも積極的には行きたくも、ない…
それが今の俺の、本音だった…

誤字脱字がないかをざっと点検して、送信ボタンを押す。

時間を置かず、すぐに返信がくる。
暇なのか…？

『いや…もうこちらの段取りは全て済んでいるから、俺は交代で構わないよ、今は仕事もしていないし、むしろ交代したいかな…真由の傍についていたいし、真由の顔を可能な限り見ていたいんでね…ああ、もちろん清春君さえ良ければ…だけどね』　

哲也が、早く俺と交代したいと言う…

あくまで俺が良ければと俺に判断を委ねているようでいて、交代したいと、自身の希望はしっかり織り交ぜている…
こうなると、なかば強制のようなものだ…

その意向が手に取るようにわかった俺は、不本意ながらも、こう答えるしかなかった。

『そう、ですか…でしたらすみませんがお言葉に甘えて…真由をお願いします。』

『そうか、良かった。じゃあ時間と場所はまた、追って連絡する…』

『はい、では失礼します。』

最後にそう返信をしたものの、何かが引っかかり…首を傾げる…

　　　時間はいいとして、場所…　？
　　　　
　　　　病院しか、ないだろう…
　　　　　　　　　　　

まあ、いい…　

とりあえず、連絡がきてからでいい、
その時考えよう…　　

俺はいまだ、青白いままの真由の顔を見つめながら、ゆっくりと目を閉じた…