【完結・R18】鉄道の恐怖

もえこ

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清春編

組織

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それから…
俺は何事もなく数日を病院で過ごした。

真由に一切の変化はないまま、
ある時は真由の傍らで読書をし…
ある時は、病院の喫茶店でコーヒーを飲んだ。

そういえば仕事の方は大丈夫だろうか…
哲也と交代して三日目に差し掛かり、ふと、会社のことを思い出す。

真由がこんな時に不謹慎かもしれないが、正直に言うともはや、あの場所へは戻りたくない… 
そんな後ろ向きな感情が俺の心を支配し始めているのに気付く…

俺が抱えていた様々な案件を直属の上司に託したが…きっとそれは上司から部下へ、そしてさらに下の職員へ流れていることだろう…  

きっと頼まれやすい…少なくとも柔和なタイプの人間が…これまでの俺のように許容範囲を超える量の仕事を依頼され、残業しているに違いない… 

上司のなかで…
本当に上からも下からも信頼され、好かれている人間は確かに存在し、もちろん俺自身そんな上司に出会ったこともあるが、そんな上司はほんの一握りで…

現実は、
周りを蹴落としながら利用しやすい人間を利用して、その成果を自分の成果にすり替え、自ら仕事ができるとアピールし、出世の道に進もうとする…そんな人間の方が圧倒的に多い気がする…
そんな奴らは、自分以外の人間を組織のコマとしか見ていない。

この社会に…いや、このストレス社会に…まともな人格を備えた上司はほんの一握り…

表面的にはマイルドな対応で人当たりが良さそうな人間が、実のところ、自分の部下に毎日のようにパワハラまがいの言動をしていることに、周りの人間…特に更に上の人間は、気づいていない…

いや…もしかすると、面倒事はごめんだと気づかないふりをしているだけなのかもしれない…  

俺からすれば、
もはやその時点で、同罪だ…


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