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清春編
白い天井
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眩しい…
瞼の裏に陽の光を感じて、うっすらと目を開ける…
朝だ… カーテンの隙間から一筋の光…
目の先に、無機質な白い天井が広がる。
そうだ…ここは、病院…
ゆっくりと体を起こす。
何か…おかしな夢を見ていたような気がするが、なぜだかその詳細は、はっきりと思い出せない…
隣を見遣るが、真由はまだ起きていない。いや……いまだに一度もだ…目を覚ましてすら、いない…
嘘のような、現実の話。
俺は起き上がりシーツを簡単に整えた後、真由の隣にある椅子に腰掛ける。
真由…
お前は今、一体何を考えている…
今、起き上がれないだけで、意識はあるのか…?早く…目を覚ましてくれ…そして聞きたい…なんで、こんなことを…
なんで…自殺だなんて…とんでもないことをしたんだ…
管…点滴が痛々しくつながったままの、真由の右腕にそっと触れる。
ギクリとする…
細くて…白い…
真由の腕は…身体は…こんなにも、か細く…華奢だっただろうか…
まるで茉優子… いや…今この場所で茉優子のことを思い出すのはいけない…
俺はすぐに、茉優子の姿を頭から追いやる…
哲也が前に言っていたこと。
真由が俺のことを、浮気をしているかもしれないと、疑っていたと…
馬鹿な俺は…そのことに、
本当に全く、気付いていなかった…。
真由がこんなことにならなければ…そして哲也に話を聞かされていなければ…恐らく今もそのことに気付かず、茉優子と何度も逢瀬を重ねていたかもしれない。
「真由…おまえは、本当のところ何に悩んで、こんなことをしたんだ…」
気付けばボソリと、
声に出していた…
瞼の裏に陽の光を感じて、うっすらと目を開ける…
朝だ… カーテンの隙間から一筋の光…
目の先に、無機質な白い天井が広がる。
そうだ…ここは、病院…
ゆっくりと体を起こす。
何か…おかしな夢を見ていたような気がするが、なぜだかその詳細は、はっきりと思い出せない…
隣を見遣るが、真由はまだ起きていない。いや……いまだに一度もだ…目を覚ましてすら、いない…
嘘のような、現実の話。
俺は起き上がりシーツを簡単に整えた後、真由の隣にある椅子に腰掛ける。
真由…
お前は今、一体何を考えている…
今、起き上がれないだけで、意識はあるのか…?早く…目を覚ましてくれ…そして聞きたい…なんで、こんなことを…
なんで…自殺だなんて…とんでもないことをしたんだ…
管…点滴が痛々しくつながったままの、真由の右腕にそっと触れる。
ギクリとする…
細くて…白い…
真由の腕は…身体は…こんなにも、か細く…華奢だっただろうか…
まるで茉優子… いや…今この場所で茉優子のことを思い出すのはいけない…
俺はすぐに、茉優子の姿を頭から追いやる…
哲也が前に言っていたこと。
真由が俺のことを、浮気をしているかもしれないと、疑っていたと…
馬鹿な俺は…そのことに、
本当に全く、気付いていなかった…。
真由がこんなことにならなければ…そして哲也に話を聞かされていなければ…恐らく今もそのことに気付かず、茉優子と何度も逢瀬を重ねていたかもしれない。
「真由…おまえは、本当のところ何に悩んで、こんなことをしたんだ…」
気付けばボソリと、
声に出していた…
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