【完結・R18】鉄道の恐怖

もえこ

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清春編

疑惑

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自分の中で…悪い方向に勝手に想像してビクビクしているが…

周りの人間は…
哲也は…実のところ真由のことで頭がいっぱいで…俺が思うほどには、俺の行動に目を光らせてはいない…のか… ?

そうだ…普通に… せねば…
下手にビクビクしているとボロが出る。

ごく普通に、会話をすれば良いのだ。

「あの…真由は変わりないですか…?」
俺は真っ直ぐに哲也を見て、そう質問をした。
威圧的に聞かれてばかりでたまるか… 
たまには俺の方からも…   

     そう、思った。

「真由…ああ…全く変わりないよ。残念なくらいにね… 心臓は動いているが、身体はやはり…びくともしない…」

「心臓… … 」

哲也の言葉に、先ほどの光景が蘇る。

心臓の上… 真由の胸の上に、この男は頭を乗せるようにして、寝ていた…

左手は真由の首筋に沿うかのように…
右手は下腹部あたりを這う…かのように… 

俺はハッとする。
そもそも… 
俺がこの病室に飛び込んだ時…
哲也は本当に眠っていたのだろうか…

まさかとは思うが…
以前、家のリビングで寝ている真由の胸元を、まさぐっていた時のように…
本当は起きていて、俺が病室に来る寸前まで…自身の欲望のままに…

真由を… 
真由の体を、触っていたのではないか…
今、聞くか…   …  
いっそ… 、聞いてみようか…

あの、夜のことを…
あの夜、俺が見た異様な光景のことを…

真由はベッドの上で眠ったままだ…
真由に、聞かれることもない…

ずっと…今でも目に焼き付いて離れないあの夜の光景…  
真由の唇にキスをしていたであろう哲也の少し傾いた後ろ頭と…
はだけた服の隙間から胸を…まさぐる哲也の手…

あの光景が、
  今でも鮮明に、俺の脳裏に蘇る。

「あの…  お兄さん… 実は前からずっと尋ねたかったことがあります…今、お時間よろしいですか…?」

「…  ああ、いいよ… なんだい…?」
哲也が俺に向き直る。
その目に威嚇の光は、ないままだ…
今なら…聞けるかもしれない。

「あの…  ですね…   」

    俺は遂に、口を開いた。 

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