【完結・R18】鉄道の恐怖

もえこ

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清春編

地雷

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ほんの少しどころか、
半分以上は事実とも言える、回答… 

俺は、ばかだ…        大馬鹿だ…
内心で、項垂れる… 

知人と食事…  だなんて…
たとえ、相手が誰であろうと…

ただでさえ、妻が意識不明の入院中に…
よくも他人とゆっくり食事などできたなどと、反感を持たれるかもしれない…

しかも… この蛇のように粘着質な男、哲也のことだ…  俺のことを疑って…
その知人は一体誰なんだと…
特定するかのように、今から細かく尋ねてくるかもしれない…  

これから予想される哲也の尋問に、俺は耐えられるだろうか…

俺は馬鹿か…  馬鹿、すぎる…

まるで…自ら、自身の足元に… 
 地雷をセット…したようなものだ…

やはり俺は嘘をつくのが下手なのかもしれない… 

今にも目が泳ぎそうだ…いや、駄目だ…決して、泳がせない…前を見ろ…

俺は唇をキリリと引き結び、真っ直ぐに哲也を見つめる。

「知人…と、食事…?  ほう… …」

哲也が顎に手を当てて…
やはり何か物言いたげに俺をゆっくりと見上げる。

俺は慌てふためくような内心とは裏腹に…
  精一杯、平静を装いながら、

     哲也を見返した。
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