【完結・R18】鉄道の恐怖

清春編

二通目

二度に分けての連絡…

一体なんだろうと、ラインを開く。

『あの…それはそうと、退会の手続きに今日、教室に来られる予定だったのなら、もしかして坂下さん、今日は少しお時間、あるのですか…？あの…』

その文面を見て、
俺の心臓が…ドクンと音を立てた…ような気がした。

どういう意味だ…　何が、言いたい…？　
時間があるのか否か…　時間があれば、なんだというのだ…　この文面だけでは、何とも…

タクシーの車内で、しばらく画面を見つめるが、
『あの…』の続きがなかなか…こない。

茉優子から次の連絡が、こない…

「お客さん、着きましたよ…？　８９０円になります。」
「あ…ありがとう、ございます…」

気付けば、タクシーはいつも行く英会話教室の近くまで来ていた。

タクシーを降り、周りを見渡す。
平日の割に…割と人通りがあるなと、どうでもいいことを考える。

時間は4時近い…　さて…今から、どうするか…　

ネットカフェ…　2時間か4時間で…　入室して…　お腹が空いたら中で…

もう、行くか…
真由が入院していて、それを理由に、ただでさえ仕事を長期で休んでいる状態…　　
なるべく、知り合いに…会社の人間には目撃されたくない…
普通の喫茶店などに入るよりは、ネットカフェの個室の方が人目を気にせずに済み、断然気が楽だ…

そう、思いながらも、さっきの茉優子からの二度目のラインの内容が気になって仕方がない…

早く、返事が来ないだろうか…
だが、平日…　茉優子は仕事をしている真っ最中だろう…そうであれば、合間に何度も私用の連絡は出来ないはずだ…　
すぐに、続きの連絡がくる保証もない…

そう思いながら、俺は半分諦めたような気持ちで、ゆっくりとネットカフェの方向に向かって歩き始めた。

その矢先、ピリリと、3度目の通知…

俺は即座に脚を止め、
緊張した気持ちで、茉優子からの連絡を確認すべく、画面を開いた…