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清春編
哲也への問い
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「あの…ですね、ついさっき、真由の頬に…真由の右頬に…」
「… 頬に… なんだい…?」
哲也が俺の言葉を復唱する…
「濡れたような跡が、ありまして… あの… 右頬に… 」
「… ああ… 」
哲也は無表情のまま、言葉を発する…
「あの…何かなと、思いまして…真由はこの通り、身体も動かないままですし…」
俺はひるまずに続ける。
あれは何だ… ?
おまえが、真由の綺麗な頬を…唇で…舌で…濡らしたんじゃないのか…?
白状しろ…
俺の頭の中では、自分が哲也に対して思っている言葉が次々と出てくるのに…
やはり、外に出すといまいちな物言いだ… 俺は自身を奮い立たせる…
「…そうだね…」
哲也は、ゆっくりと頷く。
そうだね…だと…?
認めるのか…?…俺は哲也を見つめる。
「あの… それで…何かなぁと、思いまして… あの、とりあえず拭き取ってはみたんですけど…お兄さん、何か…あの、…知りませんか…?」
知りませんか、じゃ…ない…
おまえがやったのか…?
やったんだろう…??
白状しろ…
内心に渦巻く哲也に対しての疑惑の言葉は、やはり表に言葉として出すことができず、知りませんかと… 話題に出して尋ねること…それが、精一杯だった…
本当に駄目な男だ…
こんな自分が、つくづく大嫌いだ。
「ああ…そうか…アレに、気付かれてしまったか… 清春君もわかっているんだろう…?」
哲也が奇妙な目で、俺を見上げて、ゆっくりと語り始めた…
「俺は… … … 真由を… …」
俺はゴクリと、唾を飲み込んだ…
「… 頬に… なんだい…?」
哲也が俺の言葉を復唱する…
「濡れたような跡が、ありまして… あの… 右頬に… 」
「… ああ… 」
哲也は無表情のまま、言葉を発する…
「あの…何かなと、思いまして…真由はこの通り、身体も動かないままですし…」
俺はひるまずに続ける。
あれは何だ… ?
おまえが、真由の綺麗な頬を…唇で…舌で…濡らしたんじゃないのか…?
白状しろ…
俺の頭の中では、自分が哲也に対して思っている言葉が次々と出てくるのに…
やはり、外に出すといまいちな物言いだ… 俺は自身を奮い立たせる…
「…そうだね…」
哲也は、ゆっくりと頷く。
そうだね…だと…?
認めるのか…?…俺は哲也を見つめる。
「あの… それで…何かなぁと、思いまして… あの、とりあえず拭き取ってはみたんですけど…お兄さん、何か…あの、…知りませんか…?」
知りませんか、じゃ…ない…
おまえがやったのか…?
やったんだろう…??
白状しろ…
内心に渦巻く哲也に対しての疑惑の言葉は、やはり表に言葉として出すことができず、知りませんかと… 話題に出して尋ねること…それが、精一杯だった…
本当に駄目な男だ…
こんな自分が、つくづく大嫌いだ。
「ああ…そうか…アレに、気付かれてしまったか… 清春君もわかっているんだろう…?」
哲也が奇妙な目で、俺を見上げて、ゆっくりと語り始めた…
「俺は… … … 真由を… …」
俺はゴクリと、唾を飲み込んだ…
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