【完結・R18】鉄道の恐怖

もえこ

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清春編

帰宅

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部屋に戻ると、既に一時を過ぎていた。

シンとした室内…

俺は玄関の照明を点け、リビングへ向かい倒れ込むようにソファに腰掛ける。

疲れた…
頭が鉛のように重い…痛い…

真由が今朝まで…この部屋で生活していたというのに…今はベッドの上だ…

真由が台所に立ち…俺の朝食と弁当を一生懸命作る情景が目に浮かぶ…。

真由は器用な女ではない…
でも…真由は真由なりに、頑張ろうとしていたのかもしれない。

もしくは既に朝、死ぬことを決意していて…俺への最後の気持ちとして、普段あまりし慣れない料理にチャレンジしたのかもしれない…

だが…

俺は項垂れる…   無駄だ…

今、俺が真由の心情をどんなに想像してみても……
これは推測でしか、ないのだ…

真由が薬を飲む直前に、何を考えていたのか…
何に苦しみ、死を決断したのか…
もしかしたら、俺と茉優子のことを知って絶望したのか… 

いや…あるいは…
俺の知らない、何かしら大きな悩みがあったのかもしれない…

だって、死ぬわけがない…
真由はまだ若い…これからの明るい未来が… 家族の形があったはずだ… …しかもだ…    なぜ、真由は…

ああ…  わからない

ああ… いくら考えてもわからない…

俺は知らなかった…身近な人間が自殺を図ることが… こんなにも… 

こんなにも周りを巻き込み…同時に絶望させ…

その人間が死に至ろうとした原因について…各々が堂々巡りのように自問自答しなければいけなくなる…なんて… 
 


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