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清春編
覚醒
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「清春君… 目が覚めたんだね… 驚いたよ、気を失ったと聞いて…もう大丈夫なのかい…?」
哲也は椅子に座ったままで、俺を見上げる。
「はい…もう、大丈夫です…お兄さんは大丈夫ですか…?もう遅い時間ですし…」
「ああ… でも、今夜は真由の傍を離れたくないんだ… さっき、主治医の先生に話は聞いた…真由はもう…もしかしたら、目を覚まさないかもしれないという、こともね… 」
「… … はい… 」
やはり、医師に話は聞いているようだ…
俺はがっくりと肩を落とす…
「清春君、真由には俺がついているから今日のところはもう君は帰りたまえ…仕事もあるだろう…落ち着いてから俺と適宜、交代しよう…」
「え…?
でも…お兄さんも仕事がありますよね…俺だけそんなこと、出来ません…」
「いや、まったく構わないよ。俺の仕事はそもそも不定期なものだからどうにでも、融通が利くんだよ…だから君はすぐに帰って、とりあえずゆっくり休んで明日以降、職場へ連絡するといい…」
「はい…ありがとうございます、すみません…」
真由の身体に…頬に一度、触れたいと思ったが、真由の手は哲也に握られたままだ…
哲也を前にして俺は言い出せず、
その夜はそのまま、
病室を後にした…。
哲也は椅子に座ったままで、俺を見上げる。
「はい…もう、大丈夫です…お兄さんは大丈夫ですか…?もう遅い時間ですし…」
「ああ… でも、今夜は真由の傍を離れたくないんだ… さっき、主治医の先生に話は聞いた…真由はもう…もしかしたら、目を覚まさないかもしれないという、こともね… 」
「… … はい… 」
やはり、医師に話は聞いているようだ…
俺はがっくりと肩を落とす…
「清春君、真由には俺がついているから今日のところはもう君は帰りたまえ…仕事もあるだろう…落ち着いてから俺と適宜、交代しよう…」
「え…?
でも…お兄さんも仕事がありますよね…俺だけそんなこと、出来ません…」
「いや、まったく構わないよ。俺の仕事はそもそも不定期なものだからどうにでも、融通が利くんだよ…だから君はすぐに帰って、とりあえずゆっくり休んで明日以降、職場へ連絡するといい…」
「はい…ありがとうございます、すみません…」
真由の身体に…頬に一度、触れたいと思ったが、真由の手は哲也に握られたままだ…
哲也を前にして俺は言い出せず、
その夜はそのまま、
病室を後にした…。
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