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清春編
混乱
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この男も…
哲也も、あの話を聞いただろうか…
いや、医者は俺だけにと言っていたから知らないはずだ…
ああ… 真由… 真由…
どんなにか、心細かっただろう…
しかも…いまだに信じたくはないが、死のうと…するなんて…
やはり…
茉優子とのことが、ばれてしまったのだろうか…
恐る恐るベッドの上の真由を見ると、身体にいくつかの管が繋がれていた… 口には酸素ボンベのような器具…
心電図の機械が… ピッピッ…と…規則的な音を、立てていた。
「しばらくこちらの部屋で真由さんの健康状態を管理します… 今も、昏睡状態でいつ目を覚ますかも…正直わかりません。病院側できちんと管理しますが…今日どうこうということはないかと思いますので、突然のことで、お仕事の調整等あるでしょうし…いったん帰られて休んでください…また、しっかりと経過を観察し、今後の話をしていきましょう…」
医師の声が…
まるで人ごとのように俺の頭の中を右から左へするすると流れていく。
経過観察…?
今後の… 話と言われても…頭が回らない… 意味が、わからない…
ああ… 仕事のことなど、もはや考えられない…
職場に、
何を、どのように報告したらいいのか…
そもそも、事実をいうべきか否か…
実は妻が自殺を図って昏睡状態なので、しばらく休みます…などと正直にいわねばならぬのか、否か…
もはや俺自身混乱していて、さっぱり正しい報告の在り方が、わからない…
俺は、絶望感を覚えながら、
哲也にしっかりと手を握られたままの真由に、
ゆっくりと近付いた…
哲也も、あの話を聞いただろうか…
いや、医者は俺だけにと言っていたから知らないはずだ…
ああ… 真由… 真由…
どんなにか、心細かっただろう…
しかも…いまだに信じたくはないが、死のうと…するなんて…
やはり…
茉優子とのことが、ばれてしまったのだろうか…
恐る恐るベッドの上の真由を見ると、身体にいくつかの管が繋がれていた… 口には酸素ボンベのような器具…
心電図の機械が… ピッピッ…と…規則的な音を、立てていた。
「しばらくこちらの部屋で真由さんの健康状態を管理します… 今も、昏睡状態でいつ目を覚ますかも…正直わかりません。病院側できちんと管理しますが…今日どうこうということはないかと思いますので、突然のことで、お仕事の調整等あるでしょうし…いったん帰られて休んでください…また、しっかりと経過を観察し、今後の話をしていきましょう…」
医師の声が…
まるで人ごとのように俺の頭の中を右から左へするすると流れていく。
経過観察…?
今後の… 話と言われても…頭が回らない… 意味が、わからない…
ああ… 仕事のことなど、もはや考えられない…
職場に、
何を、どのように報告したらいいのか…
そもそも、事実をいうべきか否か…
実は妻が自殺を図って昏睡状態なので、しばらく休みます…などと正直にいわねばならぬのか、否か…
もはや俺自身混乱していて、さっぱり正しい報告の在り方が、わからない…
俺は、絶望感を覚えながら、
哲也にしっかりと手を握られたままの真由に、
ゆっくりと近付いた…
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