【完結・R18】鉄道の恐怖

もえこ

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清春編

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「…  … … あ… …  」

目を覚まし、ハッとする。
夢を見ていた…   

真由の夢…   
いや、茉優子の夢、だったか…

ここは…そうだ、病院だ…
真由は… 真由は、どうなった…

今、一体何時、なんだ…
ベッドの横の小さな椅子に、俺の鞄が立てかけられていた。
そこから携帯を取り出すと、もう夜中…12時を過ぎていた。

俺は多分、倒れたんだ…
多分、医師の話を聞いた直後に、そのまま…テーブルに崩れ落ちたのかもしれない…  

そういえば哲也は、どこだろう…

俺と同じように、医師の説明を受けたのだろうが… 
でも確か、最後の話は俺だけにと…医師は言っていたような気がする…  

まさか、真由が…  真由に… 

全く、気付かなかった…
今朝…俺に物言いたげだったのは、もしかするとそのことだったのだろうか…

本当に全く…   …
気付かなかった…
気付けなかった…
もはや、旦那失格だ…  

とにかく…
俺は真由の顔すらいまだに見ていない…こんな場所で自分が倒れ込んでいる場合ではない…  すぐに、行かねば…

俺はよろよろとベッドから起き上がり、廊下に出る。

その廊下の先の部屋からうっすらと光が…漏れ出ている。

近寄ると、再び医師がその部屋から出てきて、俺を見る。

「坂下さん、お体は大丈夫ですか…?まだ真由さんに会われていないですよね?大丈夫であれば、こちらへどうぞ…」

「はい… 」

医師に連れられて、真由の部屋へ向かうと、そこに、男がいた。

青白い顔で横たわる真由の手を握りしめたままの状態で、

  傍らで哲也が…  眠っていた。

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