【完結・R18】鉄道の恐怖

もえこ

文字の大きさ
上 下
280 / 544
清春編

医師の話

しおりを挟む
「… … … そ … んな… 」

俺は、もう…何も言えなくなった。

「…内容物を…胃の、洗浄を…行っていますが… まだ…  予断を許さない状況です。
それと、真由さんの後頭部に、小さくはない外傷がありました。おそらく薬を服用した後、意識朦朧となったのか室内で転倒したのではないかと…推測されます。」

「…  はぁ… …」

薬を服用しただけではなく… 転んで、 頭まで…  

真由はその時…

何を考え… 何を思っていたのか…  
俺に朝、朝食を作り… 手の込んだ弁当を作り、玄関で手渡し… 

俺を見送り…  その後、いつ… 薬を、…?
まさか…俺が茉優子を… 淫らに、抱いていた時間… なの、か… 

ああ…
いつからだ…

真由はいつから、決心していた…?
自ら命を断つ…なんて、ことを… 

いや…違う… 
まだ…自殺と決めつけるべきでは、ない…

そうだ、もしかしたら…精神的に不安定で… 病院…診療内科かなんかに…かかっていたかもしれない…

そうだ… そこで処方された薬の数を間違って、飲んだ…とか…

ドラマで見たことがある… 
抗うつ剤か何か… 飲み過ぎると身体に支障が出る薬があるとか…

「…坂下さん… 大丈夫ですか… ? 」

ハッとする… 
気付けば、医師が俺の顔を真っすぐに見つめていた…。

「はい… あの…でもそもそも、妻が… 自殺をしようとしたというのは、間違い…ない、んでしょうか…」
俺は信じたくなかった… 

「それは… おそらくですが、そうだと思います…真由さんは心療内科にかかっていたようです。情緒不安定な状態があったようですね…あと、ですね… 真由さんは総合病院でもう一つ、かかっていまして…ご主人はご存じですか…」

「は…?」

「…まだ…話をされていなかった…?…ようですね…この話は…坂下さんにだけ、お話しますが…実は… … 」

「は… ?  え… ?? 」

ああ… もう、ダメだ…
俺は一体…真由の何を見ていたんだろう … 

          
  そこで、俺の意識はぷつりと、


       途絶えた…















 

しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

砂漠の国のハレム

BL / 連載中 24h.ポイント:42pt お気に入り:125

反芻

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:3

バツイチとビッチと愛人と

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,753pt お気に入り:7

【完結・R18】指切りげんまん

ミステリー / 完結 24h.ポイント:85pt お気に入り:7

柔らかな愛情をきみに。

児童書・童話 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

【完結】悪役王女は裏で動くのがお好き

恋愛 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:236

【完結】やわらかに降る雨のように(作品231008)

恋愛 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:2

セリナの鞭とマミカの躯

大衆娯楽 / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:8

処理中です...