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清春編
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「…もう、お兄さんに聞かれましたか?」
医師が、下を向いたままの哲也を一瞬、見やるが、俺は首を横に振る。
「…まだでしたら、落ち着いて聞いてください…奥様…真由さんは、どうやら今日の夜、大量の薬を服用されたようで…今…緊急の処置中で…本当に予断を許さない状態です…。
もしかすると…
今夜が…峠になるかもしれません…」
「… … … 」
え…?
薬… ?
しかも… 大量の、薬…だと…?
今夜が、峠…
え… ?
意味が、わからない…
頭が回らない…
医師は続ける。
「もちろん、我々も全力を尽くしますが…最悪の事態も十分に考えられますので他に、真由さんの近親者がおられれば、すぐに連絡をお願いします…では」
そう言って一分一秒でも勿体無いとでも言うかのように慌ただしく…その医師は病室へと消えて行った…
「くす…り…」
俺はぼそりと…
独り言のように呟いた。
「…事態は、そういうことだ…清春君…真由は、自殺をはかった…」
「… じ… さつ …」
俺は後ろ頭を、
鈍器で思い切り殴られたような…
そんな、感覚を覚えた…。
嘘、だ…
医師が、下を向いたままの哲也を一瞬、見やるが、俺は首を横に振る。
「…まだでしたら、落ち着いて聞いてください…奥様…真由さんは、どうやら今日の夜、大量の薬を服用されたようで…今…緊急の処置中で…本当に予断を許さない状態です…。
もしかすると…
今夜が…峠になるかもしれません…」
「… … … 」
え…?
薬… ?
しかも… 大量の、薬…だと…?
今夜が、峠…
え… ?
意味が、わからない…
頭が回らない…
医師は続ける。
「もちろん、我々も全力を尽くしますが…最悪の事態も十分に考えられますので他に、真由さんの近親者がおられれば、すぐに連絡をお願いします…では」
そう言って一分一秒でも勿体無いとでも言うかのように慌ただしく…その医師は病室へと消えて行った…
「くす…り…」
俺はぼそりと…
独り言のように呟いた。
「…事態は、そういうことだ…清春君…真由は、自殺をはかった…」
「… じ… さつ …」
俺は後ろ頭を、
鈍器で思い切り殴られたような…
そんな、感覚を覚えた…。
嘘、だ…
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