【完結・R18】鉄道の恐怖

清春編

想像

茉優子の白くやわらかな肌を平気な顔で傷付けながら、性行為を強いる夫…

一体、どんな顔をした男なのだ…　

身体つきはどうだろう…逞しい男なのだろうか…　
その男はどんな風に茉優子を、抱くのだろう…
セックスは上手いのか…　同じ夜に何度、彼女の白い身体を貫き、揺さぶるのだろうか…

縛られると言っていたが…　まさか茉優子は…
そんな風に、夫に乱暴に抱かれて…喘いだり…最後は達したり、するのだろうか…　

「ははっ…　」
俺は乾いた声で、自嘲気味に笑う…。

家に…真由という妻のいる俺が…

曲がりなりにもれっきとした既婚者である俺が…　
何を想像している…

不倫相手の家庭のことを…茉優子の旦那のことを…
俺に、あれこれ詮索する資格なんて、1パーセントだってないのだ…　　

茉優子も俺と同じ状況だ…

自分自身の立場がわかっているから、俺に妻の…真由のことを聞いてくることは、今までにほとんどなかった。最初に年齢と、いつ頃結婚したか…子供はまだいないことを伝えただけ。
俺が茉優子に与えた情報は、それくらいのものだ…

スマホの中にある真由の写真すら、見せたこともない…。

一瞬、真由のことが頭をよぎり、俺はハッと思い出す。

そうだ、朝の真由の様子からして…　

今日はやはり、英会話の仲間と食事に行くから遅くなると事前に言っておいた方が無難だろう…

茉優子と一緒に居る間は、茉優子にいらぬ気を遣わせないようにスマホをいちいち見たり、極力触れないようにしている俺。茉優子が到着していない今、連絡しておく方が無難だ…。

鞄からスマホを取り出して、短いメッセージを打ち込む。

『真由、ごめん。やっぱり今日は教室の皆と食事に行くことになった。遅くなるかもしれないから、先に寝てていいよ』

…寝てていいよ、と打ち込みながらも、今までに真由が俺を待って起きていたことなどほぼ皆無だなと思い起こす。
ソファーで映画を見ながら寝落ちしていることはあっても、わざわざ起きて俺を迎えるために待っていることなんてないに等しかった…まあ、どちらでもいい…

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とにかく、もうすぐ茉優子が来る…。

俺ははやる気持ちを抑えながら、
スマホをいつものように鞄にしまった。