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清春編
真由の質問
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「あ… …」
鏡に映る真由に、俺は一瞬、阿呆のように言葉を失う。
「… 真由… び… びっくりした… 」
「…清春さんったら… どれだけ自分の顔、見つめてるの…?私の気配に…気付かなかった…?」
正直なところ、全く気付かなかった…。
「いや…別に… いつも通りだよ。髪のセットとかさ…あるしね…」
何とかそんな風に弁明するが、真由は引き下がらない。
「…本当に…?
俺は相変わらずカッコいいな…年の割に、まあまあイケてるな… とか、そんなこと考えてたんじゃないの…?」
真由が鏡の中の俺の視線を真っすぐにとらえて、真顔でそんな風に尋ねてくる…。
一ミリも笑っていないところが、逆に怖い。
しかも完全に、俺の心の中を…
今、頭の中で考えていたことをほぼ、真由に言い当てられた…
俺は内心、ぎくりとしながらも、咄嗟に平静を装う。
「…はぁ? …そんなわけ、ないよ… もう、立派な中年だしさ…全然…イケてないよ…」
「… … 清春さんは格好いいよ… 自覚、あるくせに… 」
鏡の中に映り込む真由が、俺を見あげる。
「 あ…!本当にもう、時間がないな… 真由ごめん、もう行くね、仕事…」
「そうよね…今日も頑張って、清春さん。」
真由が珍しく、玄関のところまで俺の後を追ってくるのがわかった。
いってらっしゃいなどと、声を掛けてくるつもりだろうか…
そんな見送りは普段されていないので、なんとなくこそばゆい…
「ねえ… 清春さん … 」
靴を履いてドアに手をかけようとすると、真由が背後から声を掛けてくる。
やっぱり、行ってらっしゃい、なのか… 俺は少しだけ構える。
「ん… 何…? 真由… 」
俺が背後を振り返ろうとすると、背中からこう、聞かれた…。
「今日…教室には行くの……?」
茉優子と具体的に約束をしているわけではないが、これまでの傾向でいうと、少なくとも食事をして帰る可能性は高い…。
だとしても、なんと答えよう…
違和感のないように… 決して勘付かれないように… 答えねばならない…。
俺は真由をゆっくりと、振り返った。
鏡に映る真由に、俺は一瞬、阿呆のように言葉を失う。
「… 真由… び… びっくりした… 」
「…清春さんったら… どれだけ自分の顔、見つめてるの…?私の気配に…気付かなかった…?」
正直なところ、全く気付かなかった…。
「いや…別に… いつも通りだよ。髪のセットとかさ…あるしね…」
何とかそんな風に弁明するが、真由は引き下がらない。
「…本当に…?
俺は相変わらずカッコいいな…年の割に、まあまあイケてるな… とか、そんなこと考えてたんじゃないの…?」
真由が鏡の中の俺の視線を真っすぐにとらえて、真顔でそんな風に尋ねてくる…。
一ミリも笑っていないところが、逆に怖い。
しかも完全に、俺の心の中を…
今、頭の中で考えていたことをほぼ、真由に言い当てられた…
俺は内心、ぎくりとしながらも、咄嗟に平静を装う。
「…はぁ? …そんなわけ、ないよ… もう、立派な中年だしさ…全然…イケてないよ…」
「… … 清春さんは格好いいよ… 自覚、あるくせに… 」
鏡の中に映り込む真由が、俺を見あげる。
「 あ…!本当にもう、時間がないな… 真由ごめん、もう行くね、仕事…」
「そうよね…今日も頑張って、清春さん。」
真由が珍しく、玄関のところまで俺の後を追ってくるのがわかった。
いってらっしゃいなどと、声を掛けてくるつもりだろうか…
そんな見送りは普段されていないので、なんとなくこそばゆい…
「ねえ… 清春さん … 」
靴を履いてドアに手をかけようとすると、真由が背後から声を掛けてくる。
やっぱり、行ってらっしゃい、なのか… 俺は少しだけ構える。
「ん… 何…? 真由… 」
俺が背後を振り返ろうとすると、背中からこう、聞かれた…。
「今日…教室には行くの……?」
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だとしても、なんと答えよう…
違和感のないように… 決して勘付かれないように… 答えねばならない…。
俺は真由をゆっくりと、振り返った。
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