【完結・R18】鉄道の恐怖

清春編

和食

茉優子の家庭の話を聞いてから…
俺はモヤモヤした気持ちを抱えながら毎日を過ごした。

今日は英会話教室がある日だ。
茉優子はその後大丈夫だろうか…
俺はソワソワしながらも、いつも通り仕事へ行く身支度をする。

着替えを済ませリビングへ足を踏み入れると、
「おはよう、清春さん」
「おはよう…真由… 今日は早いね」

真由が、珍しく朝から起きていた。
いつもは朝寝坊な真由。
珍しいなと思いながらも、朝の挨拶をする。

「うん…夜、なかなか寝付けなくて…結局朝方近くに少しだけ… ね…」

真由の顔色があまり良くない気がした。
睡眠不足だろうか…

「あ…  すごいね、美味しそうだ。」

「…本当？昨日買い物に行ったから結構材料があって…久々に作ってみたから美味しくできてるか、わからないけど…」

真由が謙遜して、そのようなことを言う。
どう言う心境の変化だろうか…
また、あの男…哲也の影響かもしれないなと思いながらも、俺は椅子に腰掛ける。

テーブルに並ぶ、白いご飯に味噌汁…
野菜サラダと卵焼きに…少しだけ焦げてはいるが焼き鮭も、並んでいる。

久々の…本当に久々の朝食…
しかも、和食だ… 

「いただきます。」
俺は箸を手に、目の前に座る真由を見つめる。
「真由は食べないの…？」

「うん…眠れてないからか今はあまり食欲なくて…清春さんが行ってからもう一回横になってみる…起きてからゆっくり食べるよ。ね、温かいうちに、食べて…」
にこりと笑う、真由

「うん、いただきます」

　　真由と俺の、
　　何の変哲もない朝の会話だった。
　　

　　だけど、この時真由は、
　　
　　決めていたのかもしれない…

　　　　
　　　　　後で、漠然と

　　　　　そう…思った。