【完結・R18】鉄道の恐怖

もえこ

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清春編

不可解

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俺はあの男が、今何を考えているのか…さっぱり、わからない…。
普通なら、夫である俺にあんな場面を目撃されたなら、なんらかの謝罪…そうでなくとも、何かアクションを起こすのではないかと思うのに、何を開き直っているのか、放置状態だ…。

後で、真由に奴の様子を聞いてみようか… 
兄弟とはいえ、1週間近くも真由が世話になっていたのだ。
少し向こうの状況を聞いても、そこまでおかしくは思われないだろう…。

「真由…ビールはまだあったかな…」そう言いながらリビングへ足を踏み入れると、

「…… やだ …恥ずかしい… うん、 うん…あ…  ごめん… じゃあ、また…」

真由が電話で、その相手に慌てたように別れを告げる声が聞こえた。

「あ…ごめん、誰かと話してたのか…?邪魔してごめん…」咄嗟に謝ると、
「あ…友達、だよ…ごめん、ビールなら、あるある…」

真由が即座に立ち上がり冷蔵庫へ向かう。

「… … … 」

友達…  本当だろうか… もしかするとまた、あの男じゃあ、ないのか… ?

俺はちょうどいい機会だと頭を切り替え、弁当を囲みながら、
真由に哲也のことをそれとなく聞いてみよう…  そう思ったのだが…。

聞かないほうが良かったのかもしれない… 

それほどに… 真由の答えはなんとなく歯切れが悪く、不可解だった…。

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